・・・先日思わず買ってしまった「のたうつカナブン」、やっぱりニュースになりました。
《NEWS》2021.2.21Lmaga.jpより
よく企画が通ったな…謎のガチャガチャ「のたうつカナブン」誕生秘話を訊いた
「なんでこれ作ったんだろう・・・?」と時々首をかしげながらも、ついつい買っちゃう用途不明のカプセルトイ(ガチャガチャ)。今年1月に「タカラトミーアーツ」(本社:東京都葛飾区)から登場した『のたうつカナブン』はその代表と言っても良いくらい謎の商品で、SNSでも「これ企画した人と通した人を見てみたい」など話題となった。「新機構『のたうちギミック』を搭載した、カナブンのフィギュアです。サイズは実際のカナブンの約2.5倍で、のたうつ姿はまさに圧巻!」と清々しい説明が書かれた同商品の誕生秘話を、企画担当者に訊きました。 ──道端でたまに出くわすカナブンののたうつ姿って本当にビクビクするので苦手なのですが・・・これをフィギュアにしようと思ったきっかけは何だったのですか?夏場にコンビニの前に大量のカナブンがのたうっていたのを見て「うわぁ・・・」、店内にも数匹入り込んでいたのを見て再び「うわぁ・・・」と思ったのがきっかけです。 ──めっちゃシンプルな動機ですが、企画担当さんにとって商品化するほど印象深い出来事だったんですね。プレゼンしたときの周りの反応が気になります。思ったよりも普通に受け入れてくれました。普段はこの手の企画はゴリゴリにゴリ押さないと通らないんですが、意外なほどアッサリでした。──サイドのゼンマイを回すと、意外と控えめにのたうつので笑いました。作るにあたって苦労した点はありましたか? 内部の「のたうちギミック」が結構スペースを取りますので、いかに不自然にならず且つカプセルに入りきるフォルムに落とし込むかが苦労しました。こだわった点は、頭や手足、翅(特に内翅!)を動かせるようにしたところです。──SNSでは「思わず買ってしまった」「タカラトミーアーツ、頭おかしい」などの声が寄せられていますが・・・。 ★「頭おかしい」は私にとっては誉め言葉です。ありがとうございます!──企画した者として、この「のたうつカナブン」をどう楽しんでほしいですか?特にこうしてほしい、というのはなく、みなさまのイマジネーションに委ねたい部分があります。ただ、強いて言わせていただきますと、のたうたせる際は★仰向けにした方がより効果的です。──日々いろんなカプセルトイが発売されていますが、どれくらいの頻度で企画・プレゼンなどされているのでしょうか。毎月1回企画会議があるんです。その企画もまったく採用されないこともあれば、全案採用の月もあったりで・・・平均すれば6割くらいの打率です。──商品を企画するうえで大事にしていることは?みなさまの★ド肝を抜くインパクトを大事にしています。そして、買っていただいた方が★笑顔になってくれると尚うれしいです。──コロナ禍で、クスッとなるカプセルトイの癒やし需要は増えていると思います。最後に、今オススメの「マニアック」な商品があれば教えてください!先日発売された、各時代を代表する兜をかぶる「兜むし」も、良い意味でまぬけ感漂うカッコいい仕上がりとなっております。★「のたカナ」(のたうつカナブンの略)を気に入っていただいた方には特にオススメです。◇「のたうつカナブン」は300円(全5種・対象年齢15歳以上)。関西では「キデイランド大阪梅田」「エディオンなんば本店」、ほか「イオンモール」や「イズミヤ」など。
《カナブン(金蚉、金蚊)》Wikiより
コウチュウ目コガネムシ科ハナムグリ亜科に属する昆虫であり、やや大型のハナムグリの一種である。ただし、近縁の種が数種あるうえ、一般にはコガネムシ科全般、特に金属光沢のあるものを指す通称として「カナブン」と呼ぶ場合もあるためアオドウガネやドウガネブイブイなどと混合されることもある。
・・・「ビー玉」を針金で巻いて~「ビー玉虫」です。子ども用のスリッポンにも「ムシ」を描いてみました。チョウカワユイ!!!
《NEWS》2018.1.20ThePAGEより
2億年前、蝶は地上を舞っていた?独で世界最古の化石発見、その新証拠とは?
地球が誕生したのは46億年前、わたしたちホモ・サピエンスの種が初めて現れたのは、およそ20万年前といわれています。先日学術雑誌に、今まで見つかった中で最も古いおよそ2億年前のチョウ目の化石記録についての研究論文が発表になりました。三畳紀からジュラ紀初期にまたがる地層から見つかったこの化石。実は、現在知られている植物化石から考えられる★花の出現時期よりも1億年ほど早くに蝶の祖先は地表を飛びまわっていたことになります。一体どのような環境から、その化石は見つかったのでしょうか。そして蝶の羽や体はそもそも繊細で、化石として見つかることがほとんどありません。最古のチョウ目化石とはどのような姿なのでしょうか── 。古生物学者の池尻武仁博士(米国アラバマ自然史博物館客員研究員・アラバマ大地質科学部講師)が、論文執筆した研究者から、特別に提供を受けた貴重な写真とともに研究内容について報告します。
蝶と蛾を含む「チョウ目(Lepidoptera)」
普段何気なく我々の周りを優雅に飛び回っている蝶。しかし、化石記録において、蝶はいつごろ初めて現れたのだろうか?先週ある研究論文を目にするまで、こんな疑問さえ、私は持つことがなかった。van Eldijk & van de Schootbrugge等(2018)が「三畳紀からジュラ紀初期をまたぐ地層から発見されたチョウ目の仲間」と題する研究論文をScience Advancesという学術雑誌に発表した。 van Eldijk, T. J. B., T. Wappler, van de Schootbrugge et al. (2018). "A Triassic-Jurassic window into the evolution of Lepidoptera." Science Advances 4(1).はたして化石記録における最古の蝶なのだろうか?どのような姿をしているのだろうか?このような研究を目の前にして、私の中に潜む好奇心の虫はむくむくと顔を出さずにはいられない。類は友をよび、そして、虫はムシを引きつけるようだ。あえて“自慢”するわけではないが、私は蝶に関してそれほど知識を持ち合わせていない。これまでに昆虫の仲間を特に研究の対象としたことはない。そのため基本的な情報をとりあえずチェックする必要があった。(どのような項目をチェックすればいいのか、経験上ある程度分かる。情報を集める際のコツのようなものもある。)まず蝶はチョウ目(Lepidoptera)というグループに属す。この昆虫の一大グループには、いわゆる「蛾(moth)」の種も全て含まれる。そのため蝶と蛾の両者(虫)は、分類学上、同一のものといえる。言い換えるなら蝶と蛾は、その進化上、「共通の祖先」を太古の昔に持っていたことになる。地質年代を通し、枝分かれ・細分化が進み、今日にいたる。ちなみに現生のチョウ目の種に目を向けると、トータルで126科、約18,000種が今までに記載されているそうだ。並み居るたくさんの昆虫グループのなかでも、今日、★爆発的な多様性を遂げているものの一つだ。そしていわゆる蛾の仲間は、なんと約16,000種にのぼる。これはチョウ目全体の実に89%にあたる。蝶の種の数はその残りで約2,000種だが、それでもかなりの数といえるだろう。こうした事実を前にすると★「蝶は蛾の一部」という見方さえできるかもしれない。そして余談だが、いくつかの文化圏・言語圏 ── 例えばフランス語、ロシア語、ドイツ語など ── において蝶と蛾の両者は、★同一の言葉で表現されるそうだ。生物学そして昆虫学上、蝶と蛾の判定や識別は、なかなかシンプルにいかないケースが多い。一般に、蛾は夜行性で特に明け方と夕方のコンビニの周りにたむろするが、蝶は昼間に野原を飛び回る。そして蛾が見せびらかすように羽を大きく広げて休む一方、蝶は羽を閉じて静かにたたずむ。こうしたイメージを多くの方が持っているかもしれないが、かなり例外のケースが蝶と蛾両方のグループに多く見られる。例えば日本各地にはアゲハモドキという、文字通り蝶にそっくりな蛾もいる。チョウ目の進化のトレンドを探求する上で、こうした事実はなかなか興味深い。夕暮れ時に飛び回っている蝶は、もしかすると掟破りの反逆者なのかもしれない。昼間に堂々と移動する蛾は、進化上の最先端を行くものかもしれない。そしてチョウ目に属す種の数々は、今日どうしてこれほどの多様性──進化上における大成功をおさめたのだろうか?もしかすると化石記録の中において、その「起源」に関する謎を探求する上で、ヒントのようなものが潜んでいるかもしれない。
・・・描き出すと~とまらない。
約2億年前の最古の記録
さて蝶と蛾の種を含む一大昆虫グループ「チョウ目(Lepidoptera)」は、地質年代上、いつごろ現れたのだろうか?今回の研究論文に記載されている化石標本は、なんと「三畳紀とジュラ紀の境界線」をまたぐドイツ北部の地層から発見されたそうだ。約2億160万年前ということになる。チョウ目の祖先は、三畳紀に現れた初期の恐竜達を見下ろすように、悠々と空中を飛び回っていたに違いない。★蝶と蛾も「生きた化石」のメンバーに加えておいていいようだ。―名前いくつ挙げられますか?太古と現代生物種の架け橋「生きた化石」(上)―変わらぬことで生き延びた?進化の奥深さムカシトカゲ「生きた化石」(下)ちなみにドイツの化石現場は、周囲をうっそうと茂る森林に囲まれた場所に位置している(下の化石産地の写真参照)。地表が草木に覆われているこうした場所では、基本的に化石や岩石そのものを見つけることが難しい。しかし、今回の研究チームはドリルを使って採取された、筒状の形をした岩石のコアサンプルの中に、チョウ目の化石を見つけた。(こうした岩石のサンプルは、主に地層における堆積の様子や岩石の細かな特徴を調べるため、地質学者がよく用いる。)こうした岩石のサンプルを地質学者は顕微鏡を用いて調査する。鉱物の小さな粒などは岩石のタイプを判定するのに重要な情報を与えてくれる。今回この岩石の中に非常に微小だが「最古のチョウ目」の証拠が見つかった。
ミクロサイズの鱗粉化石
今回の研究のリーダーであるヴァン・デ・シューツブラッグ博士(Dr. van de Schootbruggeこちらのホームページ参照)は、私のリクエストに気前よく、写真をこの記事のために分けてくれた。まずはとっくりと約2億年前の虫の雰囲気を味わっていただきたい。流線形の輪郭それぞれの長さは0.02から0.1mm程だ。非常に小さく肉眼ではほとんど確認できない。普段、街中や野外で目にする蝶や蛾の体の一部と、直接イメージが結びつかないかもしれない。そのため少し想像力を働かす必要がある。実は一つ一つ極小の透明性を帯びたモノは、いわゆる「鱗粉(りんぷん)」と呼ばれるものだ。現生のチョウ目のほとんどの種が、共通して備えている代物だ。(スカシバガ科のように鱗粉を進化の過程で二次的に無くしたものも例外として存在する。)現生の蝶の体をあらためて見てみよう。一つの見栄えのする羽は、実に多数の筋状、板状、柱状などの構造物によって構成されているのが分かる。そして顕微鏡サイズまで近づいてみると、その体の表面に魚の鱗(うろこ)のような独特の模様があることが確認できる。この表面に覆いかぶさっているものが、先に紹介した鱗粉だ。小さいころ蝶や蛾を指先でつまんだことのある方なら、覚えているかもしれない。細かな粉のようなものがぽろぽろこぼれるように指先にくっついたはずだ。これが鱗粉だ。この鱗粉はいうまでもなくチョウ目全ての種にとって非常に重要だ。(なくなると飛ぶことに支障をきたすので、この記事を機会に興味半分にいたずらなどしないようお願いする。)大まかな鱗粉の役割として(1)羽や体の色彩模様、(2)耐水性、(3)体温調整、そして(4)オスメス識別用のにおい等のコントロールがあるそうだ。(こちらのサイトに日本語の詳しい説明あり。)ちなみに魚偏(さかなへん)の「鱗」という字が使われているが、解剖学上そして進化上、魚のものとはまるで別物だ。蛸の足と人間の手のごとく何の関係もない。ただの言葉のあやでしかない。それにしても現生の蝶の羽を改めて、顕微鏡を通してみると新たなイメージが鮮烈に浮かびあがってくる。まさに「目から鱗」というより「目から鱗粉」だ。そして今回とりあげている研究で明らかなように、ミクロの世界は現生種だけでなく、化石種にとっても非常に重要な鍵となることがある。
チョウ目の起源と三畳紀末大絶滅
三畳紀末からジュラ紀のはじまりである、2億100万年前。これだけ古い時代の地層から、鱗粉のような微細なものが、化石として保存されているとはまさに驚きでしかない。そしてこれだけ★小さな化石さえも見逃さない研究者の「目」に私は脱帽だ。素直に敬意さえ覚える。ちなみに今回の研究論文が発表されるまで、最古のチョウ目の記録は約1.9億年前の「ジュラ紀前期」のアーケオレピス(Archaeolepis mane)とされていた。この種は同じように鱗粉の化石にもとづき記載されている。しかしジュラ紀の地層において、チョウ目の化石は非常に少ない。今のところわずか2、3のケースが知られているだけだ。白亜紀に入るとかなり化石の数が増えてくる傾向がある。ただ蝶や蛾が今日見られるような多様性を手に入れたのは、恐竜が絶滅した後で新生代前半に入ってからのことだ。初期の恐竜達が登場した中生代前期のチョウ目化石記録。この事実を前に私の好奇心の虫が再び顔をのぞかせる。蝶や蛾の進化上の起源は具体的にどのようなものだったのだろうか? 毛虫のような種があるきっかけで、鱗粉を備えた飛行用の羽を突然手に入れたのだろうか? 何か具体的な「太古環境の激変」が、その鍵となった可能性はなかっただろうか? まず「約2億年前」という年代を耳にして私が一番驚いたのは、★「花の出現」よりはるか前にチョウ目が「すでに出現していた」という事実だ。植物化石の記録によれば、花はジュラ紀後期から白亜紀前期に登場したと、今のところ広く考えられている。ということはチョウ目の種は、その登場後の1億年近くにわたる非常に長い地質年代の間、花植物なしで生き続けてきたことになる。ちなみに現在の蝶や蛾の成虫は、基本的に水分に含まれた栄養分を吸うことで胃袋を満たしている。糞などから栄養を補給するケースもよく見られる。一方、毛虫などに代表される幼虫は、葉など植物のさまざまな部分を直接食べて成長する。さなぎが羽化して「変態」をおこし、はじめて羽を備えた成体になるわけだ。この時、食生活もがらりと大きく変わることになる。(この変態という視点を通してもチョウ目の起源と初期進化の謎はさらに興味深くなるはずだ。)そして、もう一つ興味深い点がある。古生物学や生物進化に興味のある方なら、「約2億年前」という今回更新された最古のチョウ目の出現年代を耳にして、一つの重要な事実に思いあたるかもしれない。三畳紀とジュラ紀の境目では、生物史上、五本の指に入る生物種の「大絶滅」が起きたことが知られている。この五大絶滅には、恐竜が消え失せた白亜紀末大絶滅や、海生生物の96%の種が消失したと推定されるペルム紀後期の大絶滅などが含まれる。三畳紀末の大絶滅において、特に陸生大型脊椎動物が多数被害にあった。この中には恐竜と近縁関係にある爬虫類の仲間(植竜類Phytosauria、ラウスキア類Rauisuchia、鷲竜類Aetosauria等)や初期の大型両生類のグループ(分椎目temnospondyls)、最初期の哺乳類の遠い親戚にあたるキノドン類(Cynodontia:特に初期の大型肉食性のグループ)が含まれる。そして陸生植物の仲間も同時にダメージを被ったことが知られている。特に古生代後半に世界各地で大繁栄を遂げていた「シダ種子類(Pteridospermatophyta)」は、ほとんどの種が絶滅した。(注:現生のシダ類は種を持たずまるで別の植物グループに分類される)。植物相の激変は昆虫のライフスタイルに直接大きな変化を与えた可能性が高いだろう。さて三畳紀末に大絶滅は、何が原因で起こったのだろうか? まだはっきりしたことはわかっていないが、いくつか有力とされる仮説が出されている。まずこの時期は、以前紹介した「超大陸パンゲア」が分裂をはじめた頃だ。南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、南極大陸などが分裂し、大西洋も誕生した。それに伴い何か陸地環境に大きな変化が起きたのは想像に難くない。山脈が新たに誕生し、海流の新たな動きが「寒冷化」などグローバルな気候の変化を引き起こしたはずだ。その他の三畳紀末大絶滅の原因として、火山の大規模な噴火、隕石の衝突(フランス?)等も仮説として挙げられている。蝶や蛾の先祖は大絶滅が起きた直後、何かこうした環境の大変化によって開かれたスペースを巧みに利用して、後の繁栄の礎(いしずえ)としたのだろう。ちなみに今回の研究チームは、かなり乾燥化が進んでいた環境で、チョウ目の祖先が出現したという仮説を唱えている。近い将来、この新しい仮説に関するさまざまな研究が行われることだろう。まさに★“目から鱗”と共に鱗粉がこぼれ落ちそうな、深遠なる蝶の祖先からのメッセージだ。
・・・研究者のみなさんも~とまらない。アートも科学も同じですね。
・・・子どもたちには、「スリッポン塗り絵」をしてほしいなあ~。ということで、輪郭線だけのバージョンを用意しました。さて、何で塗るか?????