大阪画壇(1) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

・・・今さらと思われるかもしれませんが、「おおさかアート」と銘打ちながら「大阪画壇」を積極的に取り上げてこなかったことを、少なからず後悔している昨今です。かといって「いろは」から紹介するのも今さらということで、個人的コダワリから始めたいと思っております。まずは、

 

《菅楯彦》(1878~1963)再掲

https://ameblo.jp/manabunc/entry-12137960778.html

鳥取市生まれで、近代の大阪を代表する日本画家。菅楯彦は幼時、画家の父ら家族と鳥取県から大阪に移った。絵は最初父に手ほどきを受けたが、11歳のころ父が病に倒れ、以来、独学した。自在な線描の独自表現で声望を得て作品は広く愛されたが、★美術団体などには無縁で、現在も美術史上の★評価が十分になされていない作家とされる。

1901年(明治34)8月、任期半ばで辞職した初代大阪市長・田村太兵衛は、その後★「大阪博物場」の場長に就任しました。同場(中央区備後町3丁目)は「西町奉行所」の跡地に設立された大阪唯一の、美術・工芸を収集・陳列・公開した博物館です。江戸時代、大坂の司法・行政のすべては、東・西両奉行が支配しますが、明治維新後奉行所は大阪裁判所になり、1874年(明治7)江之子島(西区江之子島2丁目)に移って、しばらく空地になっていました。そのころは美術・工芸品といえば、★豪商たちが秘蔵していて、たまに知人らを集めて酒宴を開き、長々と講釈してからみせびらかして得意がるのが常でした。太兵衛は、「かくすもんやない。いつでも誰でも自由に見られるようにせなあかん」と主張し、八方奔走して頭を下げて寄託を乞い、書画・陶芸・染織服飾・金石に動植物標本など、よだれの出そうな文化遺産を集め、「さあ、気楽におこしやす」と門戸を開きました。ですから「大阪博物場」は、図書館・博物館・美術館・資料館を兼ねた★文化・文明の大サロンとなります。太兵衛は、あるとき、いつも博物場のあたりをうろついている★菅藤太郎というまだ16歳の超貧乏画学生に、声をかけます。「な、あんちゃん。絵描くには勉強せんとあかん。いつでもお入り。料金タダにしたるさかい・・・」大喜びの藤太郎は、それから昼夜の別なく入りびたりになって勉学しますが、この少年がのちのあの有名な画人★菅楯彦です。こうして培われた書画・骨董の鑑識眼はたいしたもので、彼が書いた鑑定書は「太兵衛はんのお墨つき」と呼ばれて、好事家(風流を好む人)どころか、プロの美術商たちの間でも評判になります。茶人としても知られ、またカメラを好み、当時珍しかったカメラマンとしても一流です。墓所は大阪市中央区中寺の★雲雷寺にある。

http://unraiji.or.jp/

 

 

・・・この「大阪博物場」そして「菅楯彦」に興味を抱いたところからスタートしましたが、どちらかというと「大阪博物場」の調査研究が一筋縄でいかないこともあって、そちらの方に時間をとられてしまいました。ということで、今回の「大阪画壇」はその時の穴埋めでもあるわけです。

 

《NEWS》2020.9.7大阪日日新聞より

菅楯彦幻の傑作、修復・展示★四天王寺宝物館

大阪市天王寺区の和宗総本山四天王寺・四天王寺宝物館で12日から秋季名宝展「修理完成記念 菅楯彦『竜頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)図屏風(びょうぶ)』~幻の傑作~」が開かれる。★11月8日まで。鳥取県出身の菅楯彦(1878~1963)は明治から昭和にかけて大阪を拠点に活躍した日本画家。62年には大阪市で★最初の名誉市民に選ばれている。展示される「竜頭鷁首図屏風」(同寺所蔵、昭和時代、六曲一双)は金屏風に描かれた大作。長年、保存状態が悪かったため公開が困難な状態だったが、同寺が2017~18年度にかけて保存作業を施した。拝観料500円(高校・大学300円)、中学生以下無料。拝観時間は午前8時半~午後4時半(10、11月は同4時)。ただし9月19~25日、10月21日は午前8時~午後5時。入館は閉館の20分前まで。問い合わせは電話06-6771-0066、四天王寺。

 

・・・さて、その前に会期終了がせまる「島成園」へ。

 

 

《天王寺公園エントランスエリア「てんしば」》

https://www.tennoji-park.jp/

2015年10月1日(木)にオープンしてから今年2020年は節目の★5周年を迎えます。10月1日(木)には芝生広場入り口で「てんしば5周年記念セレモニー」として酒樽の鏡開きが!同日からお祝いムードの「てんしば」になります。エントランスのモニュメントをケーキに見立てたデコレーション、芝生広場入り口にはアニバーサリーアーチを設置。「てんしば花小路」や「てんしば5th」の花文字も登場するとのこと、楽しみです。「てんしば」は2019年度には年間約503万人もの来園者、本年6月にはオープンから総来園者が2000万人を突破の快挙。安全対策を施しながらてんしば5周年を記念して「てんしば」および「てんしば i:na(イーナ)」でのアニバーサリーイベントが予定されています。いろいろなお楽しみやオトクもあるので「てんしば」HPで詳細をチェックしてぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。10月3日(土)~31日(土)はOSAKAモニュメントがハロウィン仕様になるようなのでこちらも要チェックです。

 

 

《没後50年浪華の女性画家「島成園」》

2020年9月5日(土)~10月11日(日)/於:大阪市立美術館

https://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/shima_seien

島成園(1892-1970)は、★堺に生まれ大阪を中心に活躍した女性日本画家です。弱冠20歳で第6回文展に入選するなど早くから頭角を現し、さらには「美人画」の領域を越えた衝撃的な作品を発表して注目されました。当館には、画家本人および遺族から寄贈された88件の作品が所蔵されています。没後50年にあたり、それらの作品を通して成園の画業を振り返ります。大正期の大阪を駆け抜けた女性画家の輝きをご覧ください。

 

 

・・・まさか、こんなにも多くの作品が展示されているとは予想してませんでした。

 

 

・・・残念ながら「伽羅の香」は修復中ということで展示されてませんでしたが、京都の上村松園・東京の池田蕉園とともに三都三園と並び称されたその確かな上手さは、絶品でした。