・・・そもそもの始まりは、発泡スチロール板の端材。角っこが欠けていたので放置していたのですが、試しに手でエイッとばかりに割ってみたら、そこに「Fuji」が現れたわけです。
・・・山頂部分は、もちろん「雪」をイメージしています。今回、カーベットの残糸を巻き付けるという新たな手法を用いました。さらに、薄紙を何重にも貼り込んでいます。
・・・さらに並行して制作していた「蚊遣り」から「渦巻Tシャツ」作り、「レジン」やら「柿渋」それらが「Fuji」に結集しているわけです。一般に、作品を天日にさらすことなんて忌避されるべきことですが、柿渋は「太陽のきまぐれ」、影が美しい。
・・・制作のフィニッシュにあたり、再度「Fuji」を描いた画家たちの作品を観ています。
・・・そして大切なことを忘れていたと、はたと気が付きました。
《NEWS》2017.10.28朝日新聞より
富士山ペンキ絵、下書きなしの技/大阪の銭湯で制作公開
銭湯で富士山のペンキ絵の制作過程を公開するイベントが27日、大阪市東住吉区の「みどり温泉」で開催され、男湯と女湯にある縦2メートル、横3メートルのペンキ絵が、それぞれ「清流越しの富士山」と「駿河湾に浮かぶ青富士」に生まれ変わった。絵を手がけたのは、全国で3人しかいない銭湯専門のペンキ絵師★中島盛夫さん(72)。この道52年のベテランで、これまでに★約1万枚の富士山を描いてきた。下書きしないのが中島さんの特徴。この日も古いペンキ絵をヘラで削り落とし、細筆で大まかな構図を線で引くと、赤、青、黄、白のペンキを混ぜ合わせて自在に色を造り出し、1枚約2時間で仕上げた。同温泉で富士山のペンキ絵が最初に登場したのは03年。店主の西村善博さん(45)が先代から店を継ぐときに日本の文化に触れてもらう機会を大切にしたいと中島さんに制作を依頼した。仕上がった絵を見て「100%大満足です」と満面の笑みを浮かべた。新しくなった富士山の絵は28日から見ることができる。平日午後2時から午前1時。日曜は午前9時から営業。第2・4金曜定休。問い合わせは同温泉(06・6691・4720)。
・・・崇高な「Fuji」もいいけれど、庶民にとって身近で親しみのある「Fuji」を大切にしたいものです。どうする?