・・・やっぱり、バルテュスについて書いておくことにします。なぜなら、
【バルテュスBalthus】(1908~2001)本名はバルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ (Balthasar Michel Klossowski de Rola) 。ピカソに「二十世紀最後の巨匠」と称えられた。ほとんど独学で絵を描いたバルテュスは、ルーヴル美術館で古典絵画の巨匠たちの作品を模写したが、なかでも★ピエロ・デラ・フランチェスカの影響が大きいとされる。古典を消化した、堅固な構成と繊細な描法でモニュメンタルな女性や少女像を多く描いたが、活動当初はシュルレアリスムや表現主義の全盛期であったため、作品の売り込みに苦労したバルテュスは一時衝撃的な題材を描き、話題集めに苦心した。1937年にアントワネット・ド・ワットヴィル (Antoinette de Watteville) と最初の結婚をし、息子スタニスラス・クロソウスキー・ド・ローラ (Stanislas Klossowski de Rola) をもうける。離婚後もこの先妻とは生涯友人であり続けた。スタニスラスは、後にバルテュスの作品集出版に当たって執筆を担当している。1941年には★ピカソが、バルテュスの「ブランシャール家の子どもたち」を購入している(バルテュスは生存中にルーブル美術館に展示された数少ない画家の一人だったが、この作品が展示されている)。1944年11月には、バルテュスがパリにピカソを訪問した。1962年、パリでの日本美術展の選定のために訪れた東京で、当時20歳だった★出田節子と運命的な出会いをした。当時、離婚していなかったし、フランス中部・シャシー村の城館で8年間も生活をともにしてモデルを務めた義理の姪フレデリック・ティゾン(Frédérique Tison)もいた。節子とは1967年に結婚した。節子夫人も画家であり、2人の間には1973年に誕生した娘春美(ハルミ・クロソフスカ=ド=ローラ、ジュエリーデザイナー)がいる。バルテュスの生前、本人の意志により夫人は基本的に和服であった。★勝新太郎はバルテュスの山荘に招かれ、居合抜きや三味線演奏を行なったことがある(ドキュメンタリー映画『バルテュス』(〈原題:Balthus the Painter、監督:マーク・カイデル〉より)。リチャード・ギア、デビッド・ボウイとの親交もあった。
・・・なんと、先日(緊急事態宣言前)「パラサイト」を観に行った「堺浜えんため館」の閉店したお店の壁に、なんとフランチェスカが描かれていたので思わず写真撮りました。なんという不思議な出会いでしょうか?「パラサイト」パワーかも。
《参考》ピエロ・デッラ・フランチェスカ「聖十字架の伝説」/サンフランチェスコ教会(Basilica di San Francesco)
http://www.pierodellafrancesca-ticketoffice.it/piero-della-francesca.php
サン・フランチェスコ広場に面して建っている石造りが美しい教会で、13世紀終わり頃に建てられ長年の間に内装外装ともに様々な改修がされてきました。ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)の代表作の一連のフレスコ画「聖十字架の伝説」(Leggenda della Santa Croce)があることで有名ですが、実はこのフレスコ画は一度16世紀終わりの改装の際にしっくい塗装によって覆い隠されてしまいました。それが18世紀中頃の改装で発見され、修復されて現在に至っています。
《参考》現代美術の巨匠は「勝新太郎・座頭市」が大好きだった
https://www.dailyshincho.jp/article/2015/07140630/?all=1
https://www.dailyshincho.jp/article/2015/07160630/?all=1&page=1
・・・カツシンさんの「座頭市」も風のイメージ、バルテュスさんの作品には、窓がよく登場します。
《参考》【原久路Hisaji Hara】(1964~)
東京都出身。1986年武蔵野美術大学造形学部卒業後、テレビカメラマンを経て、写真家に。1993年渡米。ニューヨークの映像制作プロダクションにてドキュメンタリー番組の撮影監督を務める。2001年に帰国後、フリーランスとなり写真作品制作を開始。2009年、写真作品シリーズ「バルテュス絵画の考察」を発表。現在まで世界各地で個展を行う。2011年から林ナツミの『本日の浮遊』で撮影技術を担当。2013年から写真家ユニット「原久路 and 林ナツミ」として活動中。自身の作品がロシアの映画監督アンドレイ・タルコフスキーから影響を受けていると明言している。「時間の多様性を楽しむ」ために意図的に白黒写真を撮影している。「バルテュス絵画の考察」という一連の写真で知られている。
・・・★セーラー服がこんなにもピッタリとイメージが重なるなんて、スゴイです。