ころな・こまる・こもる(11) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・「風」の表現(絵)で真っ先に思い出すのが、

 

【アンドリュー・ワイエス】Andrew Wyeth(1917~2009)

アメリカン・リアリズムの代表的画家であり、戦前から戦後にかけてのアメリカ東部の田舎に生きる人々を、鉛筆、水彩、テンペラ、★ドライブラシなどで詩情豊かに描く。また、作品中には体に障害を持つ女性や、黒人の中高年男性を描くなど、弱者に対する優しい目線も感じられる。少年時代には人種差別が激しく、黒人街には白人が誰も近づかないような時代背景が存在した。だが、ワイエスは人種差別をせず、黒人少年とも遊び、その様子はフィルムにおさめられ、現在も確認することができる。彼の確かなデッサン力とテクニックは、20世紀美術の写実表現の系譜に大きな位置を占めている。アメリカの国民的画家の1人といえる。ワイエスは、アメリカ人に「アメリカとは何か」を示したかったと語っていた。父は挿絵画家、ニューウェル・コンヴァース・ ワイエス(N.C.ワイエス)。

 

《参考》ドライブラシ技法は、筆に最小限の水しか含ませず、紙の上に絵の具をかすらせるように置いていきます。筆に含んだ水分と絵の具の量や筆圧などの関係で表情にはかなりの幅が出せます。適度な表情を理想通りに出せるようになるには経験以外にありません。

 

 

★「海からの風」Wind from the Sea

生涯ワイエスはアメリカから出ることはせず、ペンシルバニア州とメイン州のみで暮らし、制作を続けました。「海からの風」は、彼がメイン州沿岸に住んでいた時の作品で、インテリアや建築物に焦点を当てていた初期の絵画の一つです。あの有名な1948「クリスティーナの世界」描かれる一年前、1947年の制作です。この窓は、友人のアルバロ・オルソン所有「オルソンハウス」の3階にある放置された部屋にありました。ワイエスはカーテンが窓から吹く風に揺れるのを見て、クリスティーナをスケッチした同じ紙に、描いていきました。47センチx70センチのさほど大きくないテンペラ画です。薄汚れた透明のカーテンが、古い木枠の窓からの風でたなびいています。半分ブライドを降ろされた窓からは、黄褐色の草地が見えます。2本の轍が行き着く先は海で、鉛色をしています。外は曇り空ではあるのですが、室内は薄暗いので、窓からの景色は鮮やかに、はっきりとみることができます。彼は、尊敬し信頼していた父を、この絵を描く一年前に、悲惨な事故で亡くしています。また、この窓の下から、ワイエス家のお墓が眺められたとも言います。暖かい夏の海からの風は、カーテンをたなびかせています。ワイエスは一つのモチーフを何年も描き続ける画家でした。1947年にバーモント州のクレイ・バートレットに購入されましたが、1952年、マサチューセッツ州のチャールス・モーガンへ売却。その後、モーガンがミードアート美術館へ25年間、貸し出していました。モーガンの死後、2009年に★ナショナル・ギャラリー美術館に寄贈されました。

https://www.nga.gov/

https://www.nga.gov/collection/artist-info.1985.html

 

 

・・・さて、長く細くて美しい線をひくには、もちろん熟練するしかないわけですが、「弘法筆を選ぶ」のです。そこで、いろいろ調べてとうとう見つけました。

 

《ダガー》 (穂先がナイフのように丸みを帯びてカットされた筆)

入手が難しくなっている★カザンリスを使用したスウォードストライパーです。穂先がナイフのように丸みを帯びてカットされた筆です。穂丈が長いので、長いストロークでリズミカルな線が描けます。

《参考》「ダガー(dagger)」

全長10~30cm程度(使用者の前腕の長さと同程度が望ましいとされる)の諸刃の短剣。フランス語ではダグ(dague)、ドイツ語ではドルヒ(Dolch)、ポルトガル語ではアダガ(adaga)と呼ばれる。なお、前述の定義に当てはまらない場合でも、諸刃の刃物にダガーという商品名が付けられる場合もある。

《参考》「スウォード(sword)」

西洋の刀剣の総称。敵を斬ったり刺したりするための武器で、金属製の鋭い刃をもつ。狭義には長いものをスウォード、短いものをダガーと呼ぶが、区分の規準はあまり明確でない。

 

・・・確かに筆先の形状そのものが「風」を想起させます。「リス毛」だそうです。

 

 

《リス毛》

ロシアの★カザン地域のリスの尾の毛は、青黒く大変細やかで柔らかです。絵具含みは非常に優れています。リス毛は繊細で柔らかく、筆運びから滑らかです。非常に多くの毛量をまとめた穂先は、絵具の含みが良く画面で長い線描きもでき、途中でパレットの絵具を含ませる必要がありません。この種の筆のもう一つの特徴は穂先が自然に揃う事です。

 

《参考》「カザン」

ロシア連邦・タタールスタン共和国の首都。ロシア語名に沿ってカザニともいう。ヴォルガ川(クイビシェフ湖)とカザンカ川の合流点に臨む商工業都市で、水上・陸上交通の要衝。タタール文化の中心であり、カザン・クレムリンをはじめとする多くの文化遺産やカザン大学などの教育機関が集積している。カザンの人口は1,105,289人(2002年全ロシア国勢調査)と、ロシア国内でも十指に入る規模の大都市である。モスクワからは東へ800km。

 

 

《ピンストライピング(Pin striping)》

https://www.mooneyeshawaii.com/special-event.html#/

ピンストライプ(pin stripe)と呼ばれる塗料などで描いた極細の線で作る装飾のこと。ピンストライプブラシという特殊な筆を使う。自動車、オートバイ、自転車、ボート、サーフボードの表面をカスタムメイドする。伝統的にフリーハンドで描かれてきたが、近年はコンピュータを使ったり、デカールで転写することもある。ローラーで簡単に線が引ける「Beugler」というツールもある。

 

 

・・・手先、筆先を見ているとゾクゾクします。相当の熟練が必要なようです。むむむ