《社会的距離》(Social Distancing)」
●2020.3.31日本経済新聞より
「社会的距離」政策が奏功? シンガポール、外出禁止回避
ニューヨークからバンコク、ニューデリーまで、世界の大都市が新型コロナウイルスの感染拡大と戦うため封鎖される一方、シンガポールはその例外となっている。人と人との間隔を一定程度あける「社会的距離」政策を徹底することで、各国が余儀なくされている外出禁止などの厳しい措置を免れている。シンガポール政府は少なくともこれまでのところ、感染が広がるなかで他国でみられる外出禁止令や大規模な休業措置を回避してきた。入国制限や帰国者の隔離などの厳しい国境管理と感染者の徹底した追跡に加え、カギを握るのが、市民があらゆる場所で目にする政府主導の「社会的距離」のキャンペーンだ。(屋台村の)ホーカーセンターでは交互の席に印が付けられ、客が間隔をあけて座るよう注意を促す。地下鉄の駅の発券機やスーパーのカウンターでは、順番待ちの列の目安として床に約1メートルごとに線が引かれている。先週には、飲食店がテーブル間の距離を1メートル以上保ち、夕食を共にする人数を最大10人に制限するよう求める新たな規則も加わった。
「社会的距離」は世界中で流行語になっているが、シンガポールはその漠然とした概念を非常に具体的な一連の指針に引き上げた。例えば雇用主は、始業時間を少なくとも1時間ごとの3つのブロックにずらし、各ブロック内では「総従業員の50%以下が仕事をしている」状態を想定する。ローレンス・ウォン国家開発相は20日、社会的距離政策は、致命的なウイルスに対する「(国境管理、潜在的な感染者の追跡に加えた)3番目の防御線」であると記者団に語った。都市を保護するために「より厳密に」実践すべきだと説く。政府は1人当たり16平方メートルの空間を確保すべきだとしている。ガン・キムヨン保健相は議会で「今後数カ月は困難な時期が続く。日常生活の混乱と、過ごし方の変化に備える必要がある」と語った。
●オーストラリア保健省が公表した「Coronavirus (COVID-19) – Information on social distancing」(2020 年 3 月 15 日付)では、下記の通り、感染拡大防止を目的に職場における「社会的距離」の具体的に留意すべき点が明記されています。
病気の場合、自宅で待機すること/挨拶としての握手をやめること/会議をテレビ会議や電話で行うこと/大人数の会議を延期すること/必要不可欠な会議を可能であれば外気のある屋外で行うこと/手や咳・くしゃみの衛生管理を推進し、全てのスタッフや労働者に手用の消毒液を提供すること/ランチ・ルームではなく、自分の机や外で昼食をとること/人がよく触る表面を定期的に清潔にし、消毒すること/窓を開け、エアコンを使い、換気を増やすことを検討すること/職場において食べ物の取り扱いやシェアを制限すること/必要不可欠でない出張を再検討すること/食べ物を用意する(食堂)スタッフや彼らが接触する人について最も厳しい衛生管理を実施すること/大人数の集会につき、日程の再調整、延期、中止を検討すること
・・・「クロネコヤマト」は、私のパロディです。
●コロナウイルス感染拡大防止のため「人との距離(対人距離)を置きましょう」というロゴ改変キャンペーン
https://edition.cnn.com/2020/03/26/business/social-distancing-brand-logos-coronavirus/index.html
●赤靴下が2足並ぶ伝統的なチームロゴも新型コロナで距離を置く?
https://whdh.com/sports/boston-red-sox-encouraging-social-distancing-with-new-logo/
メジャーリーグは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、スプリングトレーニングが中断し開幕も大幅に遅れることになった。現地では他人から6フィート(約180センチ)ほど距離を置くことを勧めているが、レッドソックス球団公式ツイッターが公開した“チームロゴ”に賛否の声が上がっている。レッドソックスは新型コロナの“予防策”を発信するため、球団公式ツイッターやインスタグラムなどのSNS上でのチームロゴをアレンジした。米国ではソーシャルディスタンス(他人との距離)を6フィート(約180センチ)置くことが薦められているが、球団公式ツイッターは象徴的な赤い靴下のデザインをアレンジし、互いに並んでいる靴下を切り離し距離を取るように描かれたチームロゴ写真を公開。伝統的なチームロゴを利用して予防策を伝えたレッドソックスにファンからは★様々な意見が寄せられた。
●そもそもは文化人類学者エドワード・ホール氏が相手との関係と距離感を4つに分類したもののひとつになります。本来は文化人類学や社会学、そして心理学で使用される言葉であり、ホール氏によれば「120~350センチメートル。身体に触れることができない距離。冠婚葬祭など改まった場やビジネスシーンで接するときの距離」としています。ここではこの距離感をとることが、ウイルスなどの伝染性疾患の広がりを抑制するために効果的な方法だということ。
●アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、この「ソーシャル・ディスタンシング」を「集団での集まりを避け、できるだけ人との距離(約6フィートまたは2メートル)を保つ」と定義している。
※1フィート=0.3048メートル(304.8ミリメートル
・・・いろいろなデザインや工夫があり、こういう場面だからこそアートの効果や重要性を実感します。