蝶道 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・ブログ「風の王国」で二上山について掲載しましたが、「大津皇子」の墓参りという目的と同時に「自然観察」が大きな柱で、中でも「蝶」と出会えるかどうか楽しみにしていました。

 

《日本鱗翅学会》

113-0001東京都文京区白山 1-13-7アクア白山ビル5F

勝美印刷株式会社内「日本鱗翅学会」事務局

http://lepi-jp.org/

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。

●日本鱗翅学会第66回大阪大会のご案内/2019年11月9日(土)・10日(日)

http://lepi-jp.org/66/

日本鱗翅学会第66回大会は、以下の日程・要領により、★大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区)で開催されます。多数のご参加をお待ちしています。

9日(土)/評議員会(午前中)、シンポジウム、一般講演、ポスター講演、懇親会

懇親会は18:00~20:00に大阪市立自然史博物館ナウマンホールで開催予定です。

10日(日)/小集会、一般講演、ポスター講演(コアタイム)、総会、自然保護委員会

●『蝶と蛾』(Lepidoptera Science)

http://lepi-jp.org/lsj-published/

『蝶と蛾』は、日本国内や海外のチョウとガの分類、体系、進化、行動、生態など広い科学分野の研究成果を掲載する国際誌です。62巻1号(2011年)から英語名を『Lepidoptera Science』に変更するとともに体裁をA4版2段組としましたが、雑誌の巻号と『蝶と蛾』の名称は継承し、従来どおり年に4回発行しています。プロ・アマを問わず広範な内容の論文(英文または和文)を受け付けますので、会員の皆様からの多くの投稿をお待ちしております。

 

《論文》「蝶と蛾」58巻(2007)2号/日本鱗翅学会

大阪・奈良府県境の2つの山嶺の山頂,亜山頂、斜面における山頂占有性チョウ類の行動パターンの比較/Sophie NAVEZ、石井実

2002年の4-10月に★二上山と★葛城山(大和葛城山)の山頂、亜山頂、斜面において15種類の山頂占有性チョウ類の雄が示す各行動の頻度を調査することにより、山頂占有性あるいは山頂占有者についてShields(1967)に基づく伝統的なものを補う新たな区分を提示した。各行動の割合は、葛城山に22箇所、二上山に26箇所、それぞれ標高の異なる区域に設定した半径5mの円形の定点において5分間当たりに観察された静止、飛翔、種内・種間闘争、採餌などの雄の行動パターンの比率に基づいて評価した。この研究では、 A1、 A2、 B、 C1、 C2という5つのタイプの山頂占有性行動を区別した。タイプA1の種は、狭義の、あるいは「古典的な」山頂占有性チョウ類で山頂を配偶場所としてのみ利用していた。タイプA1には、キアゲハ、ギフチョウ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、アカタテハ、ヒオドシチョウの越冬成虫、ゴマダラチョウ、ウラナミシジミが含まれた。ナミアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハのようなタイプA2の種は、タイプA1と同様の目的で山頂を利用するが、静止することがなく、斜面を通過する★「蝶道」を形成していた。イチモンジセセリなどのタイプBの種は、山頂を吸蜜、配偶、移動中の着陸場所の3つの目的で利用していた。テングチョウやヒオドシチョウの夏の成虫などのタイプC1の種では、山頂はテングチョウの生殖休眠を含む夏眠期における、低地の夏季の暑さを逃れるための一時的な生活場所として使われていた。最後に、モンキチョウやべニシジミのようなタイプC2の種では、夏眠期における一時的な生活場所として使われるだけでなく、吸蜜や配偶、モンキチョウにおける寄主植物周辺での繁殖など、他の目的も関係していた。

 

 

【石井実】

599-8531堺市中区学園町1-1大阪府立大学大学院

生命環境科学研究科環境動物昆虫学研究グループ

http://entomol.envi.osakafu-u.ac.jp/

この度、大阪府立大学理事・副学長・教授:石井実先生が、平成31年3月末日を持ちまして退職されることとなりました。

最終講義「里山のチョウたちと半世紀~多くの人に支えられて~(仮題)」

http://michitake.osakafu-u.ac.jp/2019/05/23/final_ishii/

日時:平成31年3月31日(日)午後14時30分~16時

場所:大阪府立大学I-siteなんば

1951横浜市に生まれる。1976東京教育大学理学部生物学科卒業。1983京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。専攻は、昆虫生態学・生理学・行動学。大阪府立大学理事・副学長・教授。日本応用動物昆虫学会、日本昆虫学会、日本鱗翅学会、日本生態学会、日本動物行動学会等会員。

 

 

《蝶道》

山道に坐って休んでいると、クロアゲハやカラスアゲハの同じ個体がしばらくの間をおいて、同じ方向に通過して行くのが見られる。時には同じ種類や近い種類の別個体が申し合わせたように、一定間隔で次々と通過して行くこともあるが、続けて見ていると、さきの個体が現れることが多い。ある範囲を、場所が小さければ1頭で、広ければ複数の個体が一定の距離を保って巡回しているのである。その地を通過して他へ移動中の蝶も、そこでは同し道をたどっていくことが多い。このような蝶の通って行く道を★「蝶道」と呼び、採集家はその道で待ち伏せすると、能率がよいことをよく知っている。蝶道は山道や渓流沿い、林の空間、林の縁り)に沿って見られるが、私たちの感覚とはまた違った道をたどることも多い。蝶道が何によって決まるか、いろいろ議論されてきたがまだわからない点も多い。その個体の羽化した場所、食草の群落、吸蜜植物、風向や日照の方向、性別、年令(日令)の経過が蝶道を決める要素の一部であることはわかっている。蝶道がどのような目的をもつのかいろいろ考えられているがまだ不十分な面も多く残されている。個体間の距離、密度を適度に保ち、配偶成立の機会均等化など考えられることの一部である。飛翔中接近した他個体を追飛することも多いがそれは縄張り(テリトリー)の表現である。縄張りの目的についても、鳥や哺乳類のような高等な動物と同じように考えては大きな誤りをおかす危険がある。アゲハチョウ科のように長時間飛びつづける種類は、大体蝶道をもって巡回しつづけることになるが、すぐに止るような種顆では、蝶道を巡向するような方法をとることはできない。地上や葉上に静止していて、ときどきその近くを飛んではもとの位置にもどる、いわば静止型の占有を見せることになる。丘陵の山頂附近でアカタテハやヒメアカタテハ、キアゲハが、日だまりの道路の一定区間ではコミスジやミヤマセセリが、クヌギやコナラの葉上ではミドリシジミの類がそのような動作をみせ、近くを通る他の蝶や時には小鳥さえも追って飛立つ。このような習性をみせるのは通常雄である。

 

《ビルの谷間に蝶が舞う「蝶の道プロジェクト」》/著:南孝彦/ソニーマガジンズ2008/岩崎書店2014

ビルの谷間に蝶が舞う!生き物と共生できる自然と再生散歩中にジャコウアゲハの食草を発見したことが始まりだった。たった一人の保護活動が、やがて行政も巻き込んで区全体に。チョウの生息域を広げることで、生き物と共生できる自然を再生しようという「蝶の道プロジェクト」他に例のない試みを仕掛け人の著者が語るとともに、誰もが身近なところで楽しみながら、小さな「自然」を作っていく方法を提案する。

 

 

・・・二上山を下山している時、蝶にジックリ出会うことができなかったのでガッカリしていると、後方から2匹(羽)のカラスアゲハ?がヒラヒラと私を追い越していった。飛びなれた道のように見事な美しい飛翔で、まさにこれが「蝶道」ではないかと実感した。

 

 

・・・しばらくして、花と戯れているアゲハに遭遇した。なかなか近づいてくれないものの、逃げることがなかったので、じっくり観察・撮影することができた。

 

 

・・・お土産に、詳しいことはわからないけれど、とりあえず気に入った石を2つ持ち帰った。