風の王国(17)畑中純 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・近藤ようこさんが★『サンデーまんが』で描き始めたきっかけは、★畑中純さんがまったく面識のない近藤さんを推薦したからだそうです。畑中純さんの「まんだら屋の良太」を読んでみたら、とてもおもしろく、たくさんの人物が登場して物語が広がって行く。これが『漫画サンデー』で「見晴らしが丘にて」を連作することにつながったということです。現代ものの描き方の幅が広がったのはこのときで、畑中純さんは近藤ようこさんにとって恩人です。またまた、人と人がつながりましたね。

 

《サンデーまんが》上田康晴「七転八倒記」より

https://www.ebookjapan.jp/ebj/special/column_ueda/pc/column_ueda_23.asp

1983年4月、「週刊漫画サンデー」(以下、マンサン)の兄弟誌★月刊「サンデーまんが」は順調なスタートを切った。しかし、創刊して半年も経たないうちに他誌と足並みをそろえたような誌面作りに物足りなさを感じ始めてきた。売上部数はそれなりに目標に近かったのだが、4コマ漫画誌に徹するのではなく、今までのマンサンにはなかった新たなストーリー漫画で勝負したいとの思いが強くなっていた。徐々にではあるが4コマ漫画誌からの脱皮を模索し始めた。そんな思いの表れであろうか、1983年の11月号に編集のコンビを組んでいるSの企画提案で★近藤ようこさんの作品が登場する。近藤ようこさんは、文学少女がそのまま漫画家になったような人だった。漫画家にならなければ、国語の先生になったのではないだろうか、というような雰囲気を持った物静かな人だった。仕事場にお邪魔したとき、本棚にはたくさんの文学書が並べられていたのを憶えている。その文学的味わいは、作品の中にも表れていた。後にマンサンで連載となる『見晴らしガ丘にて』は、きめ細かい人間描写で平凡な日常を描き高い評価を得た。1986年には日本漫画家協会賞優秀賞を受賞している。表紙のキャッチは、「秋はドラマチック、近藤ようこを読もう」。誰が考えたキャッチか憶えていないが、どうみても4コマ誌のキャッチとは思えない。「新しいことに挑戦したい」という当時の想いが蘇えってきた。よくこんな勝手なことが許されたものだ。人気や売上に縛られ萎縮することがなかったからこそ大胆に行動できたのかもしれない。私を含め駆け出しの人間に創刊雑誌を自由に創らせてくれた当時の編集長には、感謝だ。

 

《NEWS》「漫画サンデー」が54年の歴史に幕/うれピア総研より

2013年2月19日、ひとつの漫画雑誌が長い歴史に幕を閉じることとなった。その雑誌は実業之日本社が発行する「漫画サンデー」。およそ54年という長命を誇り、かつては手塚治虫や石森(石ノ森)正太郎、水木しげるといった超メジャー作家も執筆した雑誌だが、時代の流れには勝てなかったのだろうか。2012年末に看板タイトル★『静かなるドン』(作:新田たつお)がフィナーレを迎えたタイミングを踏まえての休刊判断は、ある意味潮時と言えるかもしれない。

 

 

 

【新田たつお】(1953~)

本名・島田好晴。大阪府出身。奈良芸術短期大学卒業。血液型B型。「新田たつお」は元々は友人の名前で、「台所の鬼」の執筆でペンネームとして使用した際に、そのままデビューが決まってしまったため、以降もその名をペンネームとして使用している。少年時代、少年誌に投稿を行い、何度か入選している。高校在学時に『週刊少年サンデー』に掲載された「母と子の詩」でデビュー。短大卒業後、中学校★美術教師を経て、漫画家となる。1975年に上京し、『月刊少年マガジン』(講談社)に掲載された「台所の鬼」で再デビュー。『ビッグマグナム 黒岩先生』、『こちら凡人組』などのヒットを飛ばし、中でも1989年に連載を開始した『静かなるドン』はベストセラーとなり、映画化、テレビドラマ化、オリジナルビデオ化され、単行本も全108巻と長期連載の大作であった。初期はナンセンスギャグ一辺倒であったが、『ビッグマグナム黒岩先生』あたりからシリアスなアクションが増えており、『静かなるドン』以降はシリアスなストーリーにギャグを織り交ぜた独特の作品スタイルを確立した。なおそれ以降の作品には、シリアス一辺倒のものも見られる。主人公は2枚目的でスマートな事もあるが、3枚目あるいは2枚目半の小柄で小太り体型である場合が多い。2013年、日本漫画家協会賞大賞受賞。

 

・・・一時「静かなるドン」にはまったこともあり、大阪出身しかも同世代、親近感が湧くなあ。

 

 

《参考》「漫金超」1~5号/★プレイガイドジャーナル社/刊:チャンネルゼロ

〔1〕◇創刊号・1980年春号/表紙イラスト★森英二郎/表紙デザイン・日下潤一

◆大友克洋「サン・バーグズヒルの想い出」/さべあのま「I LOVE MY HOME」/高野文子「田辺のつる」/川崎ゆきお「猟奇のパラドックス」/雑賀陽平「3193より2316」/赤星ジュン「香港猫」/いしいひさいち「絶望的前衛の巻」/ひさうちみちお「ヨセフ」

◆ルナー協会宣言/岩国学「マナブのピンナップアワー」/本のくずかご 南伸坊/男の服飾 ひさうちみちおの巻 レポーター・村上知彦/久島弘「実験貧困主義人民共和国通信」/高宮成河・香月千成子「カツキチ・セイカの交換映画日記 あの娘におせっかい」 イラストレーション・関根登規子/コミックレビュー 亜庭じゅん・村上知彦・高宮成河/Girlish Mind(定価・580円)

〔2〕◇2号・1980年夏号/表紙写真・荒木経惟

◆高橋葉介「傷つきやすい青春」/ひさうちみちお「アソコの大冒険」/まついなつき「流行性耳下腺炎」/やまだ紫「夜の坂道」/湯田伸子「硝子戸の中」/赤星ジュン「香港猫」/雑賀陽平「ナダ」/いしいひさいち「内職版バイトくん」/川崎ゆきお「怪人伝説」

◆糸川燿史「ゴールデンスーパーポートレート」 山本和行・飯田三代・西村源一郎/ルナー協会 ひさうちみちお・峯正澄・村上知彦・高宮成河/漫金超劇場/漫金報/久島弘「実験貧困主義人民共和国通信」/男の服飾 川崎ゆきおの巻/本のくずかご 森晴樹/岩国学「マナブのピンナップアワー」/体育の時間 村上知彦/コミックレビュー 亜庭じゅん・村上知彦・高宮成河/高宮成河・香月千成子「カツキチ・セイカの交換映画日記 あの娘におせっかい」 イラストレーション・関根登規子/Girlish Mind(定価・580円)

〔3〕◇3号・1981年春号/表紙イラスト・矢吹申彦

◆ひさうちみちお「ドキュメント アソコ」/坂口尚「冬の月」/新田たつお「愛の迷作劇場 激愛」/★近藤ようこ「晴れた日曜日」/みね・ぜっと「アメリカ A LOVE STORY」/レオナルド・いも「母と娘のバラード」/渡辺和博「チューニングカーブルース」/いしいひさいち「THE BONEHEAD」/寺島令子「真紀」/雑賀陽平「ここほれワンワン」/くげぬまかを「Good-bye Enoshima」

◆漫金報/久島弘「実験貧困主義人民共和国通信」/男の服飾 森晴樹の巻 山口由美子/岩国学「マナブのピンナップアワー」/ゴールデンスーパーマーケット 村上知彦/体育の時間2 峯正澄/本のくずかご ひさうちみちお/養生訓 日下潤一/ゴロ寝の友 大橋憲一インタビュー/高取英「哀愁の夜」/高宮成河・香月千成子「カツキチ・セイカの交換映画日記 あの娘におせっかい」 イラストレーション・関根登規子/コミックレビュー 亜庭じゅん・村上知彦・高宮成河/糸川燿史「ゴールデンスーパーポートレート」 笑福亭福笑・西山ちよみ・大森一樹・紅萬子/ルナー協会 川崎ゆきお/Girlish Mind(定価・580円)

〔4〕◇4号・1981年秋号/表紙写真・十文字美信

◆川崎ゆきお「猟風記」/飛鳥幸子「立体派的三人の冒険」/竜巻竜次「THE TAX MAN」/飯田耕一郎「健康骨」/雑賀陽平「トラブルをさけるな」/寺島令子「かば」/ひさうちみちお「夢の贈物」/平口広美「サラミおじさん」/古川益三「セオノ関」/いしいひさいち「気まぐれ劇場」

◆糸川燿史「ゴールデンスーパーポートレート」 やまだ紫・桂春輔/ルナー協会 南伸坊・湯田伸子・ひさうちみちお★森英二郎・大森一樹・はたきょうこ・小谷哲/川崎行雄 病気小説「雨がふっていた」 イラストレーション・ひさうちみちお/ゴールデンスーパーマーケット 高宮成河/体育の時間3 桂文福/久島弘「実験貧困主義人民共和国通信」/岩国学「マナブのピンナップアワー」/本のくずかご まついなつき/高取英「哀愁の夜」/高宮成河・香月千成子「カツキチ・セイカの交換映画日記 あの娘におせっかい」 イラストレーション・関根登規子/コミックレビュー 亜庭じゅん・村上知彦・高宮成河/漫金報/Girlish Mind(定価・580円)

〔5〕◇5号・1983年夏号/表紙イラスト・保田多三雄

◆坂田靖子「W坂の幽霊」/高橋葉介「案山子亭」/やまだ紫「朝靄 破れた」/川崎ゆきお「ライカ外伝 プエル・エテルヌス」/竜巻竜次「ドキュメンタリー公営住宅177号棟 宗教」/寺島令子「涙の明日」/いしいひさいち「気まぐれ劇場」/雑賀陽平「パリから手紙を出しています」/蛭子能収「職員室は狂った!!」/甚野幸一郎「時は誰も待たない」/ひさうちみちお「ニッポンのクリスマス」

◆糸川燿史「ゴールデンスーパーポートレート」 小川美潮・長井勝一/ルナー協会 堰守・竹都ゆい・森晴樹/暮しの光 飯田耕一郎/男の服飾 高取英 構成・村上知彦/体育の時間4★井筒和幸/ゴールデンスーパーマーケット 山口由美子/岩国学「マナブのピンナップアワー」/高取英「哀愁の夜」/関根登規子「女子事務員通信」/高宮成河・香月千成子「カツキチ・セイカの交換映画日記 あの娘におせっかい」 イラストレーション・関根登規子/コミックレビュー 亜庭じゅん・村上知彦・高宮成河/久島弘「実験貧困主義人民共和国通信」/Girlish Mind(定価・650円)

 

 

・・・画家「森喜久雄」さんを調査研究してきたこともあって、「プガジャ」そして弟の「森英次郎」さんや「井筒和幸」さん、そして近藤ようこさんの「晴れた日曜日」が掲載されているなど、なんとなんと人と人がつながりまくっています。

 

《NEWS》2017.7.5毎日新聞より

関西の若者文化、けん引/読者層の拡大見えず暗転「プガジャの遺伝子」受け継がれ

「プガジャ」の愛称で親しまれ、1970~80年代、関西の若者文化をけん引した情報誌「プレイガイドジャーナル」。創刊時の編集長★村元武さん(74)は昨年5月に『プレイガイドジャーナルへの道1968~1973』を、2017年4月に『プレイガイドジャーナルよ1971~1985』(いずれも東方出版刊)を立て続けに出版した。「情報誌に人々を動かす力があり、受け取り手の数も多かった」と当時を振り返る。

 

 

《雲遊天下な日々に》★森喜久雄、沢田としき、寺島珠雄の巻/著:村元武/2019/5/24

著)

プレイガイドジャーナル二部作に続く第三弾。「プレイガイドジャーナル社」から「ビレッジプレス」へと続く長い道のりの中で出会った人々。とりわけ忘れることのできない、今は亡き三人との交流を軸に書き綴った同時代史。★森喜久雄=画家・モリスフォーム主宰/沢田としき=絵本・コミック作家/寺島珠雄=詩人。大塚まさじ《ひとつの時代へと辿る道が、この本の中にある。》

 

・・・この本は、奥様★tomocaさんから紹介があって、購入しました。

http://tomoca.c.ooco.jp/