月考(7) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

・・・「月」と「蝶」の組み合わせが、どうも説得力に乏しいなあと気になっていたのです。

 

白文:于時初春令月氣淑風和梅披鏡前之粉蘭薫珮後之香

読み:しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぎ、うめはきょうぜんのふんをひらき、らんははいごのこうをくゆらす

「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」

 

・・・「珮後」って何だろうと改めて調べていたところ、

 

[音]ハイ(漢) [訓]おびる はく  おびだま

1.腰に付ける飾り。帯につける飾りの玉。古代の装身具のひとつ。腰帯とそれにつりさげた飾りなどの総称。

2.身に帯びるという意味。

3.心にとどめて忘れないこと。

 

《参考》佩玉(はいぎょく)

http://abc0120.net/thread-6966-1-1.html

腰帯などの着衣につり下げる玉製の装身具のこと。古代中国で愛用され、古代人の服装によく見られる。玉の種類によって身分をあらわしたとされているが、古代人の佩玉への愛着を鑑みると、装身具の一部としての役割を遥かに超えていた。中国の古書『礼記・玉藻』は、「古の君子は必ず佩玉を帯び、理由なく玉を身から離すことはなかった(古之君子必佩玉,君子无故,玉不离身)」と記述している。なぜ古代の君子は一時も身から離さないほど、佩玉を珍重したのだろうか。玉は単に美しいだけでなく、十一の徳がある(玉有十一徳)といわれている。中国古代の有名な思想家、孔子は玉が十一の徳を持つことを説き、君子の徳を玉に喩えた。儒家の教えでは、十一の徳とは、仁、智、義、礼、樂、忠、信、天、地、德、道を指す。中国伝統思想の基盤ともいえるこの十一の徳を、後継者は「仁愛、義挙、礼儀、知恵、信頼(仁、義、礼、智、信)」という五徳にまとめ、玉は正にその思想のシンボルとなったのだ。このため、古代の人々は常に佩玉を身につけることで、玉のように澄んでやさしく、高尚な美徳を常に心に抱くよう、気遣ったのだ。佩玉は古代の君子のみならず、女性にも愛用された。中国古代の女性のスカートには例外なく「玉環綬(ぎょくかんじゅ)」と呼ばれる佩玉が飾られている。この「玉環綬」は、装身具の用途以外に、スカートをしっかりおさえ、歩く時にスカートが風で舞い上がることを防ぐためにも使われた。そのほかに、玉には心肺や、喉、髪、五臓などの健康維持を助ける医療効果もあるとされ、男女を問わず、古代の人々に幅広く愛用された。

 

 

・・・「珮」と「佩」の違いはありますが、同じ意味のようです。

 

 

・・・いつの時代も「玉」は愛されていますね。

 

 

《NEWS》2019.4.30西日本新聞より

太宰府「令和」熱続く 展示館3万人超 匂い袋も販売へ

新元号「令和」ゆかりの地、太宰府市は10連休も人の波が続いている。大宰府政庁跡東の大宰府展示館は29日、雨にもかかわらず多くの観光客が訪れた。1日の新元号発表からの入館者は既に3万人を突破、近くの坂本八幡神社もにぎわいを見せている。展示館では、その序文が令和の典拠となった「梅花の歌」(万葉集)の舞台「梅花の宴」のジオラマが変わらぬ人気だ。入館者がどこから来たのかシールで答えてもらう玄関のボードにはこの日、「東京」や「北海道」など国内のほか、「外国」にもシールが貼られていた。万葉集序文に登場する★「珮(はい)」(匂い袋)をギャラリー経営者ら市民有志が再現した「珮後香(ごこう)」も販売前から関心が高い。5月1日からの受注販売を前に、約20件の問い合わせがあっているという。

★友禅ギャラリー「蛇の目うさぎ」(JyanomeUsagi)

818-0117福岡県太宰府市宰府3-4-31/092-923-7893(ファクス兼用)

http://jyanomeusagi.net/

太宰府の参道から一の鳥居を左に入った横丁「小鳥居小路」の奥、連歌屋交差点近くに店舗がございます。日本の伝統に育まれた和の文化を今の時代にお届けする手作りにこだわった和雑貨屋です。全て手加工による大人の為の染め抜きジーンズ・手描きジーンズ。手染めのTシャツや衣服。使われなくなった着物や帯のリメイクバッグやタペストリー。暖簾や染め額などから、気軽に楽しんでいただける和雑貨小物まで・・・現代の生活やお客様の心に寄り添い、癒され楽しんでいただけるような商品制作をめざし、微力ながら和の文化を発信し続けたいとの思いで、精進してまいりますので、どうぞ「蛇の目うさぎ」をご支援賜りますようにお願い申し上げます。HPリニューアルに伴いYahooショッピングストアも新規開店いたしましたので、全国の皆様にもお買い物を楽しんでいただけますようご案内申し上げます。

 

新元号「令和」ゆかりの地、太宰府市で友禅染ギャラリーを営む斉藤風子さん(67)らが考案した記念グッズ「珮後香(はいごこう)」(匂い袋)の発送が5月20日、始まった。令和は、大伴旅人邸での「梅花の宴」で詠まれた歌の序文(万葉集)の「初春の令月にして 気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ…」が典拠。斉藤さんの友人で伝統民芸品「木うそ」保存会の柳智子さん(43)が、その後に続く「蘭は珮後の香(こう)を薫(かお)らす」に着目、珮後香を思いついた。デザインは正倉院に残る文様★「樹下双鹿(じゅかそうろく)図柄」を参考に考案。奈良から取り寄せた布を使用し、組みひもは手縫いで取り付け、中にお香を入れている。お香も正倉院に現存する宝物や文書を参考に、当時使用されていた天然香料(沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)など)数種類を独自にブレンドしている。注文してきたのは地元のほか三重や熊本、長崎など全国各地の中高齢者。横浜市の40代と思われる男女は、太宰府天満宮参道近くの斉藤さんのギャラリーにわざわざ来店。「こんな素敵な匂い袋に出合えて良かった。知人にも贈りたい」と3個を注文した、という。斉藤さんらは、匂い袋を作る際に残った端切れを使ってちょっと小さめの珮後香を手作りするワークショップを計画している。6月2日午前10時半からと午後1時半からの2回(1回の定員12人)開催し、費用は3,500円。

 

 

《NEWS》第65回正倉院展26日に開幕/遊牧民伝えた文様

平成25年10月26日(土)~11月11日(月)

天平文化の珠玉の宝物を集めた第65回正倉院展は26日、奈良市の奈良国立博物館で開幕する。今年は66件の出展宝物があり、鹿や山羊(やぎ)などの動物をモチーフにした意匠もテーマに挙げられる。約1250年前に正倉院に納められた宝物の多くは、シルクロードにつながる国々を源流とする。中でも動物文と呼ばれる意匠は、遊牧民文化が花開いたシルクロード「草原の道」周辺のモンゴルやカザフスタンなどにゆかりがあるとみられている。15年ぶりに公開される★「鹿草木夾纈屏風(しかくさききょうけちのびょうぶ)」もその一つで、樹木の下に1対の牡鹿(おじか)が向かい合う左右対称の構図だ。聖武天皇の遺愛品で、身近に飾っていたと想像される。日本、モンゴルとも古来、鹿は<神の使い>とされ、意匠だけでなく、精神文化にも共通性が垣間見える。正倉院宝物では、ほかにも鏡箱の中敷きとみられる「樹下鳳凰双羊文白綾(じゅかほうおうそうようもんしろあや)」に1対の山羊、華麗な装飾の「檜和琴(ひのきのわごん)」やテーブルクロスの「夾纈羅几褥(きょうけちらのきじょく)」には1対の鹿があしらわれている(いずれも今回出展)。こうした動物文は、遊牧民による意匠が異文化と触れ合い、各地に広がったものと考えられている。「草原の道」は、中国内陸部を通る「オアシスの道」やユーラシア南方の沿岸をたどる「海の道」と並ぶシルクロードの主要幹線で、東西間を最短で結ぶルートとされる。遊牧民が疾風のごとく馬で駆け、他民族と盛んに交流を重ねて文化と情報を広範囲に発信した道は、日本にもつながっている。

 

《参考》龍村美術織物

615-0022京都市右京区西院平町25 ライフプラザ西大路四条2階/075-325-5580

https://www.tatsumura.co.jp/index.html

https://www.tatsumura.co.jp/shop-jp/user_data/introduction.php

 

《参考》「中国の吉祥デザイン―王家大院を中心にして―」文:名和又介(同志社大学名誉教授)

鹿は古代、王権を意味することもあり、鹿巾は仙人のかぶる頭巾でもあった。鹿鳴は詩経に出てくる歌であり、科挙の合格祈願の歌でもあって、官僚制度と深い関係があった。中国瀋陽には鹿鳴春という有名なレストランがあり、日本の鹿鳴館も同じ意味である。高官の後ろに鹿が存在すれば、後鹿(厚禄)と重なり、やがて高官になって高い給料をもらえるという吉祥デザインであった。さらに鹿の角は牛の角などと同じように特別視されてきた。殷墟の甲骨文字などを見ると鹿も牛も角が大きくデザイン化されている。デザイン化されているだけでなく特別の機能をもったものとして珍重されたようである。生命力の源あるいは五穀豊穣のシンボルになっている。またその角である鹿茸は貴重な漢方薬でもあり、強壮剤・強心剤として重宝されたのである。麝香は麝香鹿の嚢から得られた芳香剤であり、薬用としても珍重された。人参と共に高価な漢方薬でありその効果もあいまって鹿に対する畏敬の念は強かったと思われる。鹿は霊獣として尊重され、吉祥デザインの絵柄として定

着したように思われる。

 

・・・「令月」の部分ばかりに気をとられて、それに続く部分をよんでいなかったのです。そこにはなんと「蝶」が登場しているではありませんか。迂闊(うかつ)でした。

 

 

梅花謌卅二首并序 標訓 梅花の歌三十二首、并せて序

天平二年正月十三日、萃于帥老之宅、申宴會也。于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾盖、夕岫結霧、鳥封穀而迷林。庭舞★新蝶、空歸故鴈。於是盖天坐地、促膝飛觴。忘言一室之裏、開衿煙霞之外。淡然自放、快然自足。若非翰苑、何以濾情。詩紀落梅之篇。古今夫何異矣。宜賦園梅聊成短詠。

●序訓 天平二年正月十三日に、帥の老の宅に萃(あつ)まりて、宴會を申く。時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。加以(しかのみにあらず)、曙の嶺に雲移り、松は羅(うすもの)を掛けて盖(きぬがさ)を傾け、夕の岫(くき)に霧結び、鳥は穀(うすもの)に封(こ)められて林に迷ふ。庭には★新蝶(しんてふ)舞ひ、空には故鴈歸る。於是、天を盖(きにがさ)とし地を坐とし、膝を促け觴(さかずき)を飛ばす。言を一室の裏(うち)に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然と自ら放(ほしきさま)にし、快然と自ら足る。若し翰苑(かんゑん)に非ずは、何を以ちて情を壚(の)べむ。詩に落梅の篇を紀(しる)す。古(いにしへ)と今とそれ何そ異ならむ。宜しく園の梅を賦(ふ)して聊(いささ)かに短詠を成すべし。

●私訳 天平二年正月十三日に、大宰の帥の旅人の宅に集まって、宴会を開いた。時期は、初春のよき月夜で、空気は澄んで風は和ぎ、梅は美女が鏡の前で白粉で装うように花を開き、梅の香りは身を飾った衣に香を薫ませたような匂いを漂わせている。それだけでなく、曙に染まる嶺に雲が移り行き、松はその枝に羅を掛け、またその枝葉を笠のように傾け、夕べの谷あいには霧が立ち込め、鳥は薄霧に遮られて林の中で迷い鳴く。庭には★新蝶が舞ひ、空には故鴈が北に帰る。ここに、天を立派な覆いとし大地を座敷とし、お互いの膝を近づけ酒を酌み交わす。心を通わせて、他人行儀の声を掛け合う言葉を部屋の片隅に忘れ、正しく整えた衿を大自然に向かってくつろげて広げる。淡々と心の趣くままに振る舞い、快くおのおのが満ち足りている。これを書に表すことが出来ないのなら、どのようにこの感情を表すことが出来るだろう。漢詩に落梅の詩篇がある。感情を表すのに漢詩が作られた昔と和歌の今とで何が違うだろう。よろしく庭の梅を詠んで、いささかの大和歌を作ろうではないか。

 

・・・さらに「新蝶」を調べます。俳句に多く詠まれているので、万葉集にも多く詠まれているかと思いきや、一首も詠まれていないのです。ただ、★大伴旅人の邸宅で詠んだ梅花の歌三十二首の序に「庭舞新蝶」と記載されているだけなのです。

天平二年の正月の十三日に、帥老の宅に萃まりて、宴会を申ぶ。庭には新蝶舞ひ、空には故雁帰る。

(庭には★春生まれた蝶がひらひら舞い、空には秋来た雁が帰って行く)

《ウィキより》

●日本語では、ハエ、ハチ、バッタ、トンボ、セミなど多くの虫の名称が大和言葉(固有語)であるのに対し、この蝶と蛾に関しては★漢語である。蝶や蛾もかつては、かはひらこ、ひひる、ひむし、といった大和言葉で呼ばれていたが、現在ではそのような名称は一般的ではない。

★万葉集には、蝶を読んだ歌は一つもない。

●「蝶」は中国の名であり、日本語では本来「てこな」「てんがらこ」「かはびらこ」などと言う。

●家紋に、「蝶紋(ちょうもん)」がある。桓武平氏の一族やそれを称する一族、末裔を称する一族などによって用いられることがあった。 平氏を称した公家のほかに、織田氏、関氏、谷氏などが用いている。蝶紋を用いた大名で知られる池田氏のものは、織田氏から下賜されたものである。代表的な図案の「揚羽蝶(あげはちょう)」は、特にアゲハチョウを図案化したものではなく、羽をあげて休んでいる蝶の姿を描いたもので、「泊蝶(とまりちょう)」ともいう。ほかの図案に、「臥せ・浮線(ふせ・ふせん)」「真向かい」「胡蝶」があり、構成には、1つから6つの組み合わせが見られ「対い」「車」「盛り」「寄せ」などがある。

 

日本の春は毎年、小刻みだが正確に訪れる。3月に入り、気温が15度近くになった暖かい日の午後。まだソメイヨシノの開花には少し間があっても、視界を横切るチョウの姿を見ることがある。年が明けて最初に見かけるチョウは俳句にもしばしば詠まれ、★「初蝶(はつちょう)」という季語にもなってきた。

 

《参考》俳句/初蝶(初春)蝶(春)

はつ蝶や出でし朽木をたちめぐる 闌更「俳諧合浦集」

はつ蝶のちいさくも物にまぎれざる 白雄「白雄句集」

たちいでて初蝶見たり朱雀門 大江丸「俳懺悔」

初蝶来何色と問ふ黄と答ふ 高浜虚子「六百五十句」

初蝶やわが三十の袖袂 石田波郷「風切」

 

蝶の飛ぶばかり野中の日影かな 芭蕉「笈日記」

起きよ起きよ我が友にせんぬる(寝る)胡蝶 芭蕉「己が光」

唐土の俳諧とはんとぶ小蝶 芭蕉「蕉翁句集

てふの羽の幾度越る塀のやね 芭蕉「芭蕉句選拾遺」

物好や匂はぬ草にとまる蝶 芭蕉「都曲」

君や蝶我や荘子が夢心 芭蕉「芭蕉書簡」

蝶よ蝶よ唐土のはいかい問む 芭蕉「真蹟画讃」

釣鐘にとまりて眠る胡てふかな  蕪村「題苑集」

うつゝなきつまみごゝろの胡蝶哉 蕪村「蕪村句集」

夕風や野川を蝶の越しより  白雄「白雄句集」

蝶々や順礼の子のおくれがち 子規「子規全集」

ひらひらと蝶々黄なり水の上  子規「子規全集」

愁あり歩き慰む蝶の昼  松本たかし「鷹」

高々と蝶こゆる谷の深さかな  原石鼎「花影」

浮御堂めぐりて空へ春の蝶 長谷川櫂「松島」

 

《参考》

★代官山「蔦屋書店」限定インク

セーラー万年筆株式会社/発売日:2019年4月16日

https://store.shopping.yahoo.co.jp/d-tsutayabooks/sta62318a.html?__ysp=5Yid6J22ICDolKblsYvmm7jlupc%3D

■本体:水性染料万年筆用インク20ml

■ボトル:ガラス、プラスチックH55mm×W33mm×D33mm

■外箱:紙製H60mm×W37mm×D37mm

「初蝶の姿を見かけ本格的な春の到来を嬉しく感じて、」が発売になりました。

わかりにくい名前なので、もう一度。「初蝶の姿を見かけ本格的な春の到来を嬉しく感じて、」です。

https://store.shopping.yahoo.co.jp/d-tsutayabooks/sta62286a.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsrg_title#

★SHIKIORI四季織「月夜の水面」万年筆用ボトルインク[全4色]

月は遥か彼方。いつも変わらずに存在している。朧月夜も、三日月夜も。水面は映し出す。悠久の時を、一瞬の輝きを。日本の自然が織りなす 四季を感じる筆記具シリーズ。 今までご愛顧いただいた四季をイメージしたプロフェッショナルギアシリーズ、 プロカラーシリーズ、ジェントルインクは、 SHIKIORIとして、ひとつの筆記具シリーズになりました。

 

・・・これで、自信を持って「月」と「蝶」を構成していくことができます。やれやれ