・・・12月になりました。来年に持ち越したくなかったので、行ってきました。
《「聴竹居」紅葉をめでる会2018》
618-0071京都府乙訓郡大山崎町大山崎谷田31
/一般社団法人:「聴竹居倶楽部」事務局075-956-0030
http://oyamazaki.info/archives/8655
https://chochiku.exblog.jp/28757063/
事前予約なしで見学いただけます。紅葉包まれた聴竹居をお楽しみください。
12月1日(土)9:30~15:00(雨天決行/荒天中止)
聴竹居の前庭(見学料無料)建物内部(見学料500円、見学時間約30分)
・受付開始(整理券配布)は9:20から、最終入場は14:30
・近隣のご迷惑となるため、受付時間前のご来場はご遠慮ください。
・付近に駐車スペースがないため、車やバイク、自転車での来場はご遠慮ください。
(JR山崎駅周辺の駐車場などをご利用下さい。)
・例年、午後からの方がゆっくり見学いただけます。
・11月から始まる災害復旧工事により、見学範囲に制限が発生する可能性がありま。
その点をお含みおきいただいてご見学いただきたく存じます。
《NEWS》2015.10.30日本経済新聞より
理想の私邸、守り続ける「聴竹居」(時の回廊)京都府大山崎町
竹中工務店の一人のサラリーマンが阪神大震災を機に社史を調べ、87年前にOBが手がけた重要文化財級の私邸がひそかに現存していることを知った。場所は京都府大山崎町の天王山の中腹。取り壊しを防ぐためボランティアで管理し、地域住民の協力を得て保存活動に取り組む。日本の住宅史に欠かせない貴重な建物をよみがえらせる――。そんなサラリーマンの夢の物語が紡ぎ出された。建物は建築家、藤井厚二が日本の住宅の理想を追求して建てた私邸で、「聴竹居」と名付けられている。戦前、竹中工務店に在籍した藤井は1916年竣工の大阪朝日新聞社ビル(大阪市、現存せず)などの設計デザインを手掛けた。3年後に退社し京都帝国大学教授に就き、28年、天王山の竹やぶを切り開いて聴竹居を建てた。「竹林の風の音を聴きながら静かに暮らす」心境だったのだろう。ボランティアで保存活動に乗り出したのは、竹中工務店社員の松隈章さん(57)。「阪神大震災の翌96年に初めて聴竹居を見学し、不思議な魅力を感じた。藤井の発想の奥深さに引き込まれた」と振り返る。数寄屋造りと欧米風のモダニズム建築との融合。畳の部屋もあれば椅子・テーブルの部屋もある融通性。そして何より「風の気流や太陽の採光など自然の力を生かし、工夫をしている」と松隈さんは解説する。昭和初期は冬の暖房器はあったが、高温多湿の夏の快適な過ごし方が課題だった。床下に土管を埋め、風通しの良い庭の木陰から室内の通気口に外気を直接送り込む仕組みを造った。藤井の子孫が貸家にして第三者が住み続けていた2008年、転機が訪れる。親交を深めていた子孫から「残していきたいが、老朽化で維持管理が心配だ」と相談を受けた松隈さんが、自ら借家人になったのだ。「維持費を捻出するため有料で一般見学に対応する体制にしたらどうか」と大山崎町職員から提案を受けた松隈さんは、紹介された地元有志6人とともに、維持管理をするボランティア組織をつくった。見学ガイドも運営。貴重な古民家を内覧できると評判を呼び、今や年3000人以上の見学者が訪れる。松隈さんは「20年前は竹中工務店の社内で聴竹居を知る人は少なかった。それが今では新入社員の皆が『学生時代に見学に行きました』と言ってくれる」と目を細める。地元ボランティアの荻野和雄さん(71)は「ガイドの仕事は生きがいになった。町おこしにつながった」と話す。竹やぶを開いて造った聴竹居の園庭は、藤井が愛でた紅葉の木々が生い茂り、もうすぐ錦秋に染まる。風になびく枝葉の音は藤井の言霊のように聞こえる。「日本には優しい人の絆や四季折々の自然を生かした暮らしがある」と。
★「聴竹居倶楽部」075-956-0030
代表理事:松隈章、事務局長:田邊均
・・・早朝より多くのスタッフの方々が準備してくださり、そのおかげでこのような見学会が可能となっています。もちろん「タテモノ」の維持管理もですが、多くの人たちに知っていただき、愛されてこそ、保存する価値が生まれてくるのです。
《NEWS》2018.2.13ぴあ関西版より
90年前に存在した理想の住宅。知られざる名建築「聴竹居」、その発見と再生を綴った1冊が発売。
京都府乙訓郡大山崎町に、ひっそりと佇む「聴竹居」。これは、1928(昭和3)年に、建築家・藤井厚二の自邸として建てられた名作住宅だ。和洋の生活様式の統合とともに、日本の気候風土との調和を目指した昭和初期の「日本の住宅」として、先駆性、歴史的・文化的価値が高く評価され、昨年、国の重要文化財に指定されている。“実験住宅”と称した家を何棟も建て、住み心地を検証し続けた藤井厚二の最後の作品でもある「聴竹居」は、細部にわたって凝らされた意匠のみならず、さまざまな住居としての創意工夫が施されている。現在は一般公開もされ、地元住民を中心とした維持・保存活動が行われている「聴竹居」は、「環境共生住宅の原点」といわれ、日本の住宅の理想形を実現した建築と認められながらも、長らく知る人ぞ知る存在であった。そんな「聴竹居」は、どのようにして発見され、再生されたのか。その歩みを綴った1冊『木造モダニズム建築の傑作/聴竹居:発見と再生の22年』が3月17日に発売される。著者は、一般社団法人「聴竹居倶楽部」代表理事であり、総合建築会社・竹中工務店の設計本部副部長でもある松隈章。実は「聴竹居」は2016年より竹中工務店の所有となり、維持・保存が進められてきた。そして「聴竹居」を建てた藤井厚二は、竹中工務店の初期の社員でもあったのだ。こうした事実や、「聴竹居」にまつわる現在までの紆余曲折が本書には詳細に記されている。本書から「聴竹居」の魅力を通して、地域に根ざした建築物の価値とその歴史や文化を見直し、古い建物を未来へ引きついでいくことの大切さを感じることができるだろう。
・・・今回の見学には多くの人が参加するということで、内部の家具類はすべて片付けられたとのことです。次回はぜひ、ゆっくりと「家具類」が置かれている室内を見に来てくださいと、熱いお誘いがありました。「住む」「暮らす」環境としての「イエ」、その叡智がここに詰まっているということです。
・・・最近、やたらと本が増殖していることもあって、今回のお土産はDVDを購入させていただきました。