・・・「主題派」画廊当番の時間まで余裕がありますので、大阪市内にある珍しいミュージアムを訪問することにしました。
《荒川化学工業株式会社》(ARAKAWA CHEMICAL INDUSTRIES, LTD.)
541-0046大阪市中央区平野町1-3-7/06-6209-8500
http://www.arakawachem.co.jp/jp/
明治9年(1876)、近代日本の夜明けからまだ日も浅いころ、大阪伏見町2丁目の一角に「玉屋」の屋号をかかげ生薬商を営んできた初代荒川政七は、商域・販路拡大をにらみロジン(松やに)・テレビン油を商う荒川政七商店を創業しました。これが、その後139年に及ぶ永きにわたりロジン(松やに)を原料とする各種誘導体メーカーとして、独自の技術を確立した当社の原点です。わが国に化学工業が発展する以前の大正3年(1914)には、大阪鴫野にロジン関連製品を製造する工場を稼働させるなど、パインケミカルズ(松脂関連化学製品)分野でパイオニア的地位を確立しました。1928年(昭和3)塗料の工業用原料となる「エステルガム」の製造販売を開始し、以後粘着・接着剤、チューインガム、塗料その他の多種多様な用途分野を開発してきました。1937年(昭和12)ロジン変性フェノール樹脂の開発に成功し「タマノル」の製品名で発売しました。主な用途として印刷インキ用のワニスや、塗料用、その他電気絶縁ワニスなどに使用され、技術改良を重ねながら同系列の新製品を継続的に開発していくことになりました。
・・・「ミュージアム」というより「会社訪問」という感じですが、エントランスに入った瞬間、会社のアートに対する造詣の深さが伝わってきて、とても素敵です。
《参考》「ロジン」
松に含まれている樹脂酸を精製して得られる天然樹脂で、一般にはボールの滑り止めとして使用される野球のロージンバックで知られており、工業用としては紙のにじみ止め薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂など、広範な分野で使用されています。国内で消費されるロジンは、大半が中国などから輸入されていますが、当社は日本の輸入量全体の約5割を占める国内最大のロジン加工メーカーです。
◆【荒川歴史館】◆
http://www.arakawachem.co.jp/jp/what/#thd
当社は明治9年の創業以来130年の永きにわたり、パインケミカルズといわれるロジン(松脂)関連化学製品(製紙用薬品、印刷インキ・塗料用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、合成ゴム重合用乳化剤等)の製造・販売を行ってまいりました。この間、顧客や取引先、そして当社に関わる地域社会の方々に支えられ、今日に至るまで着実な発展を続けることができております。そして今回、初代荒川政七が創業してから今日に至るまでの歩みと、当社の発展に関わった先人達の功績を紹介するため、創業130周年事業のひとつとして、本社資料保存室をリニューアルし、新たに「荒川歴史館」として2006年3月27日に開館いたしました。「荒川歴史館」では、当社の歩みのほか、創業以来の主要原料であるロジンの採取方法やその歴史などについても紹介するなど、ご来館の方々にお楽しみいただける工夫を織り交ぜております。なお、当館は土・日・祝日および盆休み、年末年始を除く平日の午後1時から午後5時までの間は、事前予約を頂いた上で一般の方々にも公開しております。皆様のご来館を心よりお待ちしております。
・・・「歴史館」に入った瞬間、「松岡」さんやと興奮、プレートを見て納得しました。
【松岡阜】(1923~2008)
大阪生まれ、東京美術学校彫刻科を卒業。平櫛田中に師事し、写実的な作風を受け継いだ。1955年、行動美術協会に入会。1956年、行動美術賞を受賞した。代表作は、阪神甲子園球場敷地内に建つ「野球王ベーブ・ルースの碑」レリーフ(ブロンズ製・縦90cm・横90cm)。プロ野球選手ベーブ・ルースが他界した翌年の1949年、同球場が彼の来場した史実を記念して松岡に依頼し制作された。なお2005年、ルースの生誕地であるアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアに「総合スポーツ記念館」が開館し、ルースの生家にある記念館が移設された際、阪神球団は松岡が保管していたオリジナルより作成されたレプリカを同記念館に寄贈している。大阪商工会議所、大阪府立成人病センターなどに、作品が設置されている。また、
《参考1》フェスティバルホールのレリーフ保存
http://okonomigaki.la.coocan.jp/okonomigaki09-02/2009_2_1.html
《参考2》広西梧州荒川化学工業有限公司
http://gxwzarakawa.com.cn/Jp_AboutUs.asp
2008年12月に設立し、日本荒川化学工業株式会社が100%投資した日本独資企業です。当社は、梧州外向型工業園区五路1号に所在し、会社敷地面積は95,544㎡(143ムー)です。当社は2011年に梧州荒川化学工業有限公司及び広西荒川化学工業有限公司を統合しました。統合後の投資総額は3125万ドル、登録資本金は1500万ドルに達しました。主な製品はロジンやロジン誘導体、製紙用化学品、また工業用及び食添ロジンエステルなどの林産化学品です。更に、生産範囲を拡大し、顧客へより多くの製品とサービスを提供し、業界構造の合理化に当社としての力を尽くしています。
・・・中国の会社にも、松岡さんの作品らしき彫刻がありました。
《参考3》会社訪問記
http://www.science-academy.jp/visit/0001.html
野球好きの方はご存じと思いますが★ロージンバッグ、プロ野球の投手が投球の合間に時々足下の小さな袋を拾ってぐっと握ると白い粉が散って、それが滑り止めになるという、あの袋です。投手がロージンバッグを握ってそのあとボールをキュッキュッと回している姿が、格好良く見えて仕方がありませんでした。
当社は132年前、生薬商を開業、その後ロジンと★テレピン油に注目、それ以来、紙の強化・にじみ防止剤、塗料用溶剤、接着剤などロジンすなわち松ヤニをベースに事業を展開しています。創業100周年を契機に現在の荒川化学工業に社名変更しました。現在はロジンの「リサイクル可能な天然資源」という位置づけで、用途開発の研究も進めています。
・・・美術でも「松脂」は、いろいろ活用されています。油絵では「テレピン油」、版画では「松脂の粉末」を利用しています。バイオリンを弾くのにも、松脂は重要な役割を担っています。
《参考4》「アクアチント」
http://zokeifile.musabi.ac.jp/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%88/
《参考5》「ロジンの用途」
http://www.geocities.jp/kinomemocho/sanpo_pine_rosin.html
ケヤキなどの大木が茂り築山には形のよい赤松がありました。終戦直後には、田んぼにはせ架けしてあった麦の穂の皮をむき、この赤松から松脂(まつやに)をとって噛んではガムになったと喜んでいたものでした。
http://y-kakusho.jp/toukou/toukou24.html
・・・おっと画廊当番の時間です、急いで「ギャラリー香」へ。
・・・本日の「IKERU」を施しました。ご来場くださった方々も楽しんでください。




