二ツ井戸 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・せっかくの機会なので、「二ツ井戸」について紹介しておきましょう。

 

大阪市中央区高津地区でかつて地域住民に親しまれた「二ツ井戸」が同区日本橋1丁目の国立文楽劇場前にモニュメントとして復元され、2012年4月5日に除幕式が行われました。二ツ井戸はその名の通り連なった二つの枠からなる井戸で、1796(寛政8)年発行の『摂津名所図会』にも「三都自慢競」として「有馬の火の見」(江戸)「知恩院の傘」(京都)と並び、大坂は「道頓ほり二ツ井戸」とうたわれた名所でした。復元については、「高津地区まちづくり推進協議会」が中心となって寄附を募り実現しました。井戸は一方は飲用、他方は工業用水に利用されてきました。1889(明治22)年には、都市計画による区画整備のため払い下げられ、引き受けたのが粟おこしの生産者「つのせ」でした。当時は「二ツ井戸町」の地名で現在も「二ツ井戸町会」がその名残をとどめています。数年前「津の清」の移転により地元の高津連合が引き継ぎ保管、地元住民の熱意のもと、この度の復元となりました。当日は遅咲きに桜も除幕式をあやどり、文楽の姫人形によって除幕されました。石造りの井戸枠と銘板が添えつけられた二ツ井戸は、大阪が誇る歴史遺産、観光資源として後世に伝えていくことを地元住民は願っています。

 

 

《参考1》摂津名所図会4下「二ツ井戸」

http://image.oml.city.osaka.lg.jp/image/themes/theme1310.html

かつては高津下から道頓堀へと続くミナミの代表的な繁華街でした。地名の由来となった二ツ井戸は、道頓堀川と東横堀川が交わる南角付近にあり、長方形の石の井桁の真中を石で仕切った形で、一方の井戸からは良い清水がわきでるのに、一方の井戸は飲料にならず、鋳銭用などに使われていました。古くから大阪名所の一つに数えられ、『摂津名所図会』にも記されています。しかし明治22(1889)年の大阪市都市計画による道路拡張の際、埋められました。現在は国立文楽劇場前に復元されています。織田作之助の小説★「アド・バルーン」では、主人公と弟が、義母に連れられて二ツ井戸や道頓堀へ行き、夜店を見るシーンが描かれています。

 

《参考2》青空文庫「アド・バルーン」

http://www.aozora.gr.jp/cards/000040/files/42688_45503.html

 

 

・・・「文楽」についての理解を深めるため、近くまで来たらせめて「展示室」だけでも覗くようにしています。

 

 

《1984国立文楽劇場》設計:黒川紀章

542-0073大阪市中央区日本橋1-12-10/06-6212-2531

http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku.html

この場所は「大阪市立高津小学校」跡地です。4番目の国立劇場として1984年に開館、大小2つの劇場と★展示室などがあります。大ホールでは★ユネスコ無形文化遺産の「代表一覧表」に記載されている人形浄瑠璃・文楽の公演を中心に演劇や舞踊などが行われます。小ホールでは奇数月に落語・漫才・浪曲などの興行「上方演芸特選会」が開かれ、東京の国立劇場における国立演芸場的役割も担っています。独立行政法人「日本芸術文化振興会」によって運営されています。

 

 

《文楽協会》

http://www.bunraku.or.jp/index.html

人形浄瑠璃文楽は、日本を代表する伝統芸能の一つで、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。その成立ちは江戸時代初期にさかのぼり、古くはあやつり人形、そののち人形浄瑠璃と呼ばれています。竹本義太夫の義太夫節と近松門左衛門の作品により、人形浄瑠璃は大人気を得て全盛期を迎え、竹本座が創設されました。この後豊竹座をはじめいくつかの人形浄瑠璃座が盛衰を繰り返し、幕末、淡路の植村文楽軒が大阪ではじめた一座が最も有力で中心的な存在となり、やがて「文楽」が人形浄瑠璃の代名詞となり今日に至っています。人形浄瑠璃文楽は、ユネスコにより2003年(平成15年)に「人類の口承及び無形遺産に関する傑作」として宣言され、2008年(平成20)に「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されました。

 

 

《人形浄瑠璃文楽座(NPO文楽座)》

542-0073大阪市中央区日本橋1-5-6★北浦ビル1F/06-6211-6131

http://www.bunrakuza.com/

大阪で生まれ、大阪の庶民に育まれてきた人形浄瑠璃文楽。私たち特定非営利活動法人人形浄瑠璃文楽座は、2002年6月「義太夫、三味線、人形の技芸を具体的に指導普及し、人形浄瑠璃の発展をはかり、わが国の文化振興に資することを目的とする」と掲げ、大阪府より特定非営利活動法人の認可を受け、現在、人形浄瑠璃文楽座技芸員の有志45名で運営しております。「文楽ってなに?」「なんだか難しくて、敷居が高そう」と思っていらっしゃる方は、ぜひ声をかけてください。私たちは、大阪のみならず、日本中どこへでも伺います。そして、文楽の魅力に直接触れていただき、「公演を観に行ってみようかなぁ」「文楽っておもしろい!」という人が、一人でも多くなることを願っています。