・・・もとより静嘉堂の「曜変転目」を観たいと思っていたのです。
【曜変天目】
「曜変」とは元来「窯変」「容変」を意味し、唐物茶碗「土之物」の筆頭に分類格付けされてきた。「星」または「輝く」という意味をもつ「曜」の字を当てて文献に記されるようになるのは、十五世紀前期の頃からである。静嘉堂所蔵の曜変天目は、もと将軍家所蔵であったものを淀藩主稲葉家が拝領し、代々秘蔵したことから「稲葉天目」と称される。産地は中国福建省建陽県に位置する建窯であり、窯址調査から、そのうちの蘆花坪窯である可能性が考えられているが、まだ曜変の明瞭な斑文を伴う陶片は出土していない。(2012年5月、南宋王朝の都の地であった淅江省杭州で2009年に同わんの陶片/全体の4分の3ほどが出土したと公表された)今日、世界中で現存する曜変天目は日本国内の3点(京都★大徳寺龍光院、大阪★藤田美術館、★静嘉堂文庫美術館)であり、いずれも★国宝に指定されている。
★リニューアルオープン第一弾「金銀の系譜-宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界-」展
2015年10月31日~12月23日
国宝★俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」、重要文化財・尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」が、このたび長い修理を終え静嘉堂に戻ってきました。今回、それぞれの代表作として名高いこの2点の新たな装いを修理後初披露するとともに、宗達・光琳・抱一にまつわる書画工芸の数々を一堂に展示いたします。新しい展示空間で、静嘉堂でしか見ることのできない極上の美の世界を、この機会にぜひご堪能ください。
★期間中、ラウンジにて国宝「曜変天目(稲葉天目)」、重文「油滴天目」を全期間展示いたします。自然光によって様々な表情を見せる曜変天目をお見逃しなく。
・国宝「曜変天目(「稲葉天目」)」建窯/南宋時代 12-13世紀
・重文「油滴天目」建窯/南宋時代12-13世紀
★静嘉堂文庫美術館では、ラウンジから富士山も御覧いただけます(天候に左右されます)。
・・・「曜変転目」「琳派」そして「富士山」、この時期を逃すわけにはいかないでしょ。