・・・これまでも訪問している「竹中大工道具館」ですが、今回の目的は「茶室」です。
【NEWS】2014/9/12神戸新聞
大工道具をテーマにした日本唯一の博物館「竹中大工道具館」が2014年10月4日、神戸市中央区熊内町7のJR新神戸駅近くに移転し、装いも新たにオープンする。新館の建築に際し、兵庫県ゆかりの現代の名工たちが腕を振るったほか、国宝である歴史的建造物の実物大模型や、さまざまな工具を展示。一流の技と和風建築が誇る伝統を堪能できる空間となっている。もとは竹中工務店(大阪市)の企業博物館として1984年に神戸市中央区中山手通4に開館。その旧館は2014年5月、収蔵スペース不足などから閉館し、今回、かつて同社の社屋があった場所に新館を建設した。
新館は地上1階、地下2階で、延べ床面積は1884平方メートル。旧館の1.8倍の広さになり、所蔵約3万点のうち約千点を並べる。新館の中庭に面した土壁は淡路市出身で、世界的に活躍する左官職人★久住有生さんが手掛けた。西宮神社(西宮市)などにある「版築壁」をモデルに、平らな壁をこてで削る手法で凸凹を表現、古来から伝わる造形美を醸す。その中庭には淡路島産の瓦を敷き詰めた。南あわじ市の職人★山田脩二さんが、江戸時代に使われていた「だるま窯」を復元して焼いたもので、1枚ごとに色合いが微妙に異なる。一方、展示では、縄文時代から昭和までの木造建築に使った道具の実物や複製を年代順に紹介。道具の使い方について映像や木材を使って解説するコーナーも整備した。また日本の技術を伝える展示の目玉として、8世紀に建造された国宝の★唐招提寺金堂(奈良市)の柱や屋根を実物大で再現した模型を新たに制作。木組みの高さは7メートル超で、横にあるモニターの映像で構造を詳しく解説する。入館者は、くぎをほとんど使わない緻密な設計と、巨大建築を完成させた技を実感できる。大徳寺(京都市)にある茶室★「蓑庵」(重要文化財)を、建物の骨格を成す柱や梁、竹組みをむき出しにして再現した★「スケルトン茶室」も見どころの新展示。茶室の骨組みだけを見せることで、数寄屋造りの繊細さ、美しさを伝える。同館では常設展に加え、年に2回の企画展も開催する予定。館内には木工室を備え、子どもから大人まで楽しめる木工教室も開催する。赤尾建蔵館長は「展示を五感で感じ、実際に工作を体験することで物づくりの素晴らしさ、楽しさを知ってほしい」と話している。
◆【「竹中大工道具館】◆
651-0056神戸市中央区熊内町7-5-1/078-242-0216
大工道具は、品質のよいものほど摩耗するまで使われ、消滅するという厳しい宿命をもっています。また、戦後の高度成長を経て機械製材と電動工具が広まり、今日ではテクノロジーの発達とともに、手道具を使う職人は急激に少なくなってきました。消えてゆく大工道具を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて後世に伝えていくことを目的に、1984年、神戸市中山手に設立されたのが日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」です。今日までに収集した資料は30,500余点に上ります。古い時代の優れた道具を保存することはさることながら、「道具」を使いこなす「人」の技と知恵や心、そこから生まれる「建築」とそれを取り巻く木の文化について、様々な企画展や講演会、セミナー、出張授業、体験教室などのイベントを定期的に開催してきました。そして2014年秋。新神戸駅近くの竹中工務店ゆかりの地へと移転して、新たな一歩を踏み出しました。日本はものづくりの国です。大工道具には、日本人ならではの美意識や心遣いが秘められています。ものづくりの国に生きる楽しさ、素晴らしさ。新しい気づきに満ちた道具との出会いの場となり、伝統のものづくりに新たな刺激を与えるような存在でありたいと考えます。
●中村好文×横山浩司・奥田忠彦・金澤知之「建築家×家具職人」コラボレーション展
2015年9月19日(土)~10月25日(日)/1Fホール
建築家、中村好文は住宅用の家具を数多くデザインしてきました。その家具を製作してきたのは中村氏が「自分の右腕」と呼ぶ3人の家具職人です。今回の展覧会は家具職人の心をもった建築家と建築家の眼をもった家具職人のコラボレーション展です。
・・・「スケルトン茶室」は中に入ることもできます。いい感じ。
・・・さて、茶室の公開時間がやってきました。ドキドキです。
・・・まずは、外周りからの見学です。