◆【櫻正宗記念館「櫻宴」】◆
658-0025兵庫県神戸市東灘区魚崎南町4-3-18/078-436-3030
http://www.sakuramasamune.co.jp/index.html
灘五郷の中心「魚崎郷」に震災の試練を乗り越え、正宗名発祥のアイデンティティを後世に遺すべく、また魚崎郷地区の地域振興の一助となるようにオープン致しました櫻正宗記念館“櫻宴”。2010年秋、装いも新たに生まれ変わりました。是非一度お越し下さいませ。お待ちしております。レストランでは、原酒の量り売りを始めとして、色々な種類のお酒が楽しめます。展示スペースでは、昔の酒造りの工程を収めた貴重なVTRの上映から、昔懐かしい看板や酒瓶などここでしか見られない展示品でいっぱいです。オリジナル酒ラベルの作成もできます。
1625(寛永2)伊丹荒牧村(現・兵庫県伊丹市)にて創醸
1717(享保2)創業
1840(天保11)六代目当主・山邑太左衛門が「宮水」を発見。この頃「正宗」を酒銘とする。同時期の天保年間に「高精白仕込み」を開始
1884(明治17)商標条例により「櫻正宗」として登録
内蔵3棟は1792年(寛政4年)に建造された半切妻造瓦葺建築で、築後約200年を経過してもなお実際に酒造りが行われていました。江戸時代の酒蔵は兵庫県全県的に見ても稀であるため、貴重な資料として1973年(昭和48年)に「兵庫県有形重要文化財」に指定されましたが、1995年(平成7年)、阪神淡路大震災により倒壊、現在では門(櫻宴入口)を残すのみとなりました。
【参考】宮水の成分
リン・カリを始めとしたミネラル分が豊富で、鉄分が極めて微量であるという特徴を持っている。リン酸成分は酵母の増殖に欠かせない必須成分である。カリ成分も酵母増殖に必要であり、その多少は酵母の増殖に大きい影響を及ぼす。また、鉄分は酒質に対して重大な悪影響を及ぼす。今の宮水地帯北方には入江が入り組んでおり、現在のJR西ノ宮駅あたりがその入江の入口と推定されている。JR西ノ宮駅あたりの地名を西宮市津門何々町(「津門」とは港をさす)と呼ぶ。『日本書紀』にでてくる「務古の水門」はここではないかと推定されている。後白河法皇(1127~92)の『梁塵秘抄・巻二』の「神社歌・広田一首」に「広田より/戸田へ渡る船もがな/浜のみたけへ言付もせむ」がある。広田という西宮の北部にある神社から、当時西宮の荘の名前であった西宮南部の戸田荘に船で渡っている。その入江が夙川・御手洗川などの氾濫等での流砂・礫で埋められてしまい、津門は港の用をなさなくなってしまった。それで、今の津(「今」とは新しいの意)である今津(灘五郷の一つ)という町ができあがった。有馬温泉の泉質(金泉・銀泉)に見るように、それは鉄分含有の温泉と炭酸ガス含有の温泉で有名である。鉄分と炭酸ガスとを六甲山系の水は多分において含んでいる。
昔、海だったところを流れる伏流水は海の成分であるミネラル分を炭酸ガスの作用によって溶かし込んでいく。その伏流水を「法安寺伏流水」と呼ぶ。その法安寺伏流水と西宮戎神社の下を流れてくる「戎伏流水」が混ざり合う。戎伏流水はたくさんの酸素を含んでいる。その酸素の作用で法安寺伏流水の鉄分は酸化鉄となって、沈殿し除去される。その下流の伏流水はミネラル分の豊富な、鉄分を極めて微量しか含まない水として湧出する。これが宮水なのである。
・・・今回の「ほろ酔い気分」で巡らせていただいた「酒蔵」は、阪神淡路大震災でことごとく被災し復興を遂げた「酒蔵」です。古来より脈々と受け継がれてきた伝統文化としての酒造り=街づくりが、ここにはあります。多くを学ばせていただき、ありがとうございました。