姫路文学館は、姫路を中心とした播磨ゆかりの文人たちを顕彰し、資料の収集・調査・研究を行うとともに文学活動の拠点となることを目的として開館(1991)されました。世界文化遺産・国宝姫路城の北西に位置し、建築家・安藤忠雄氏により城を周回する空間、文学と対話する空間として設計されています。北館には播磨の文化風土を概観する播磨曼荼羅と9人の文人を紹介する文人展示室が、南館(1996)には司馬遼太郎記念室や映像展示室などがあります。
●司馬遼太郎記念室
祖父の代まで姫路にあり自らも播州門徒の末裔と称してこの地に深い愛情を寄せた、作家司馬遼太郎の作品化した世界や播磨との関わりを、資料やグラフィックで立体的に構成します。生前の対談番組やNHK大河ドラマなどの映像(ダイジェスト)もみることができます。
・・・安藤建築は、迷路のようで、景色の変化があって楽しめます。
・・・当然、その建築の影響もあって、館内の展示は変化に富んでいます。
●1912~1925「望景亭」/登録年月日:20090807
姫路文学館〈望景亭〉は、市内の実業家濱本八治郎氏の別邸として大正5年から昭和4年にかけて建設された建物の主要部分です。旧濱本邸は、昭和33年から昭和59年まで、市営の厚生施設「男山市民寮」として市民に開放され、会合などに利用されました。特に、現在も残る奥の広間は、昭和34年から結婚式場「瑞泉閣」として多くの人々の門出を見守りました。日本庭園と茶室を備えており、賀陽宮憲王が一時期居住していたことから皇族がしばしば訪れ、庭園には三笠宮崇仁親王が植えたしだれ桜もある。建物の名称は、裏千家十五世千宗室が命名した。和室、茶室、廊下、棟門、石垣は国の登録有形文化財に登録されている。
・・・新しいものと古いものがうまく溶け合い、若い世代へと受け継がれていくことを願って、これにて「姫路旅」の報告を終わります。