・・・「関学」に行く坂の途中に「頴川美術館」があります。
◆【頴川美術館】◆
662-0813兵庫県西宮市上甲東園1丁目10-40/0798-51-3915
江戸時代より廻船業、山林業を営み、長崎・上方文化の発展に寄与した大阪の商家、頴川家の四代德助氏が収集した古美術品に、土地・建物・基本金の寄付を受け、財団設立を申請、昭和46年(1971)12月24日認可された、文部科学省所管の美術館です。昭和48年(1973)11月1日開館、同49年(1974)7月12日に博物館登録されました。創設者の四代德助氏(1899-1976)は家業を継ぐ中で、歴代家蔵の長崎派や大坂画壇の絵画に親しみ審美眼を育みましたが、不幸にして起こった第二次世界大戦の戦火により、家屋敷はもちろん、伝来の美術品も灰燼に帰してしまいました。戦後、家業の再興と林政の改革にも尽力し、多大な功績を残す一方、焼失した美術品の収集にも留意した結果、美術品は本来、個人に帰するものではないとの考えから財団の設立に至りました。財団はコレクションの永久保存と公開活用の理念に加え、友の会を組織し、生涯講座を中心とした普及活動にも力を入れるなど地域の文化拠点として多くの人々に支持を頂き、現在に至っています。平成10年(1998)文部省より『私立博物館における青少年に対する学習機会の充実に関する基準を満たしている』との認定を受け、小・中学生にも社会教育の場を提供しています。2009年10月1日に学校法人関西学院と連携協力協定を締結しました。両者は西宮・甲山を巡る同一地域にあり、主に博物館実習を通して交流してきましたが、さらに研究資料としての館蔵品を提供し、学院各学校の芸術関係の学外講座を実施、専門家育成に協力するなど学術・研究および教育における連携協力をはかっていきます。三十数年間培ってきた展覧会・生涯学習活動を基盤に文化財や美術館への理解の裾野を広げ、地域への文化貢献を果たすべく今後とも広範囲に活動していきます。
●秋季展「四季を彩る写生・近世~近代」
[後期]10月19日(日)~11月30日(日)
自然を友としてきたわが国では、四季の情景を花鳥・風景の写生を基とした絵画に数多く描いてきました。これらを通して画人の視点を観ていきたいと館蔵優品を前後期に分け展示いたします。とりわけ江戸時代、眼前の対象物を観察しつつ写すという制作態度により、新たな写生を編み出した円山応拳の様式は瞬く間に京都一円の絵師の間に広まり、そのわかり易い表現は当時の人々に受け入れられ、近代に至っても制作態度は継承されています。前期は応拳の影響を受けた花鳥の形姿の美しさ・昆虫や魚の細やかな観察・水の動きや溜まり・花の生命力等を描いた江戸より昭和にいたる画家たちの表現を中心に、後期には応拳以前の写実表現及び、江戸中期以降中国明清の南宗画や沈南蘋様式また洋画など海外からもたらされた新しい視点の写実表現を反映させた作品を展示いたします。
◆【関西学院大学博物館】◆
662-8501兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155/0798-54-6054
・・・なんと「学園祭」の真っ最中です。
●ランバス記念礼拝堂
昭和34年竣工、正門を入ってすぐの右側に、ひっそりと佇んでいます。
※吉岡記念館東側のベルスクエアには、スウィングベルが設置されているほか、聖書に記されている植物が20種類ほど植えられています。聖書の舞台は、東地中海周辺の地域ですが、このベルスクエアに植えられている植物を観て、イエスをはじめ聖書に登場する人々が、日頃どんな植物に親しんでいたかを知ることができます。
●吉岡記念館
2006年3月10日、西宮上ケ原キャンパスに竣工した吉岡記念館の前身は、1929年の上ケ原キャンパス開設時に設けられた「宗教館」です。W.M.ヴォーリズの設計による木造2F建てのこの建物は、その後の増築を経て、全面改築され、吉岡美国第二代院長の名を冠した鉄筋コンクリート造、地上3F建ての「吉岡記念館」として生まれ変わりました。この「吉岡記念館」には、宗教センターのほか、キリスト教と文化研究センター、人権教育研究室、神学部事務室、研修室4部屋、ラウンジ、宗教総部、宗教音楽委員会傘下団体の部室などが配置され、学院のキリスト教主義教育を支援し、推進する機能が凝固し、拡充することになりました。「聖書と礼拝なくして学院なし」と凛として言い放った吉岡元院長の魂は、今も学院に脈々と受け継がれ、息づいています。
●時計台
長らく図書館として学生たちに親しまれてきましたが、創立125周年を記念して2014年9月28日(創立記念日)に新たに大学博物館として開館しました。125年に及ぶ関西学院の歴史を踏まえた展示とともに、年2回の企画展を通して、関西学院大学の研究や教育の成果などさまざまな情報を発信していきます。”時計台ミュージアム”の愛称で呼ばれるように、学生をはじめ、同窓や市民の皆さまに親しまれる博物館でありたいと願っています。魅力の一つは、館内企画に加えキャンパス全体で美しい建造物や美術品を楽しめるところです。緑豊かなキャンパス設計は建築家でありキリスト教伝道者でもあったウィリアム・メレル・ヴォーリズが手掛けたもので知られています。甲山を背景に時計台(大学博物館)、中央芝生、正門が軸線で結ばれ、周囲左右にスパニッシュ・ミッション・スタイルで統一された白壁と赤瓦の校舎、宣教師住宅が建ち並んでいます。さらに、キャンパスの中にはキリスト教美術から現代アートまで様々な美術品が点在しています。
当館が置かれる時計台は、1929年の移転に際して図書館として建てられました。W.M.ヴォーリズによるキャンパス構想の基点として大学全体を一望できる中心的存在に位置づけられています。建築様式はスパニッシュ・ミッション・スタイルを基調とし、各所には美しい意匠が施されています。時計台塔上部にはモザイクタイルの小ドームを据え、頂きに学院のシンボルマークの新月を冠したクロス、さらに建物に入ると1階ロビーには愛らしい模様のタイルが敷き詰められています。正面の階段を上ると吹き抜けの空間があらわれ、2階展示室(旧図書館閲覧室)には白塗りの高く美しい天井が広がっています。ぜひ建物の細部にも着目してください。時計台は2009年6月19日に「登録有形文化財」に登録されています。




