和歌山へ | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・雨が降っているので、駐車場から濡れずに移動できる美術館と博物館のある和歌山へ行くことにしました。


わか1


・・・そもそものきっかけは「大亦観風」という画家を知らなかったので、とにかく行ってみようと思ったのです。また、「美術館」は何度も訪問しているのに「博物館」に入ったことがなかったので、この機会にぜひと思ったのです。


わか2


◆【和歌山県立近代美術館】◆

640-8137和歌山市吹上1-4-14073-436-8690

1963(昭和38)年に和歌山城内に開館した和歌山県立美術館を前身とする和歌山県立近代美術館は、1970(昭和45)年、和歌山県民文化会館1階に開館しました。ここで23年間の活動を続けたあと、1994(平成6)年7月、現在の場所に新築移転しました。和歌山県立近代美術館の個性的な外観は、和歌山城の天守閣を間近に望む緑豊かな環境のなかで、和歌山城と美しいコントラストをなしています。建物の正面には巨大な灯籠が建ち並び、特徴的な庇(ひさし)を数多く設けるなど、近代的な中にも日本の伝統を感じさせます。池や滝が配されている広々とした敷地には熊野古道をイメージした散策路がめぐらされ、館を訪れる人々がゆったりとくつろぎ、楽しんでもらえるような場となっています。また池の中には、天然記念物である根上がり松を背景にした野外ステージを設けて、三年坂をへだてた和歌山城との歴史のつながり、熊野をイメージした自然とのつながりを念頭に置いた「共生の思想」(黒川紀章)が反映された施設となっています。

2014(平成26)年6月3日(火)—9月4日(木)

コレクション展 2014-夏

当館のコレクション展は、幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、さまざまな観点から作品紹介を続けています。今回は、和歌山ゆかりの作家と近代の美術のなかでも、特集展示でご紹介した「大亦観風をめぐる人々」、「海を渡った画家たち」、そして「わかやまの名品選」という3つのコーナーを設けました。「大亦観風をめぐる人々」では、特集展示「生誕120年 大亦観風」にあわせ、大亦が加わった「南紀洋画展覧会」「南紀美術会」のメンバーを、当館のコレクションによって紹介します。「南紀洋画展覧会」は、和歌山市にあった丸正百貨店(当時の松尾丸正呉服店)で1916(大正5)年に、当時画学生だった和歌山県出身の保田龍門、川口軌外、林義明、寺中美一と大亦が開いた展覧会です。そして「南紀美術会」は、紀州徳川家15代当主だった徳川頼倫を総裁として東京在住の画家、彫刻家、装飾美術家を中心に、1919(大正8)年9月に結成され、東京、大阪、和歌山で展覧会の開催などを通して戦前に活動した団体です。会員として下村観山、川端龍子、建畠大夢、保田龍門ら約30名が参加していました。ふたつの集まりを通して、大亦が生きた時代の雰囲気を感じていただければと存じます。また、「海を渡った画家たち」のコーナーでは、石垣栄太郎、ヘンリー杉本など、和歌山出身で移民としてアメリカに渡り、画家となった作家たちの作品を、「わかやまの名品選」では、当館のコレクションを中心に、何度でもご覧いただきたい作品を中心に紹介します。

特集生誕120年大亦観風

大亦観風(1894-1947)は、1894(明治27)年に和歌山市で生まれました。本名は、新治郎。郷里で洋画を学んだ後に上京し、太平洋画会研究所や日本美術院洋画部に通います。当初は洋画を志していた観風ですが、やがて日本画へと転向し、寺崎広業(1866-1919)と小室翠雲(こむろ・すいうん/1874-1945)に師事しました。そして1919(大正8)年頃からは「観風」と名乗り、大正から昭和前期にかけて、日本画家として活動します。またアララギの歌人、古泉千樫(1886-1927)に師事し、古泉没後は、同人たちと歌誌『青垣』(あおがき)を創刊するなど、歌人としての側面も持ち合わせていました。1940(昭和15)年に、万葉集を題材にして描いた《万葉集画撰》は観風の代表作で、1943(昭和18)年には画集としても刊行されて、注目を集めます。さらなる活躍が期待されましたが、戦後の1947(昭和22)年、胃がんのため、53歳の生涯を終えました。今回の特集展示は、観風の生誕120年を機に、あらためてその作品に光を当てようとするものです。「万葉を描いた画家」として語られることの多い観風ですが、しかしその画業はよく知られているとは言いがたいでしょう。作品の大半は戦災などで失われて、多くは残っていないこともあり、画家の全体像を掴むことは困難ですが、近年再発見された作品も含めた、当館コレクションや個人コレクションにより、その画業の一端をご紹介します。文展や帝展といった官展には背を向け、個展を主な発表の場として、独自の画風を展開した観風。この特集では、水彩や鉛筆によるスケッチから、洋画的な写実性や筆法の影響が色濃い初期の日本画、ゆらぐ線と淡い色彩によって自身の南画的画風を確立した作品、そして万葉の世界を描いた作品など約40点を展示します。画題は、花鳥画や仏画、肖像画、和歌浦や熊野といった故郷の和歌山に取材した風景画など様々ですが、飄逸で、ときにユーモアさえ感じさせるその作風は、親しみやすく魅力的です。


わか3


2014(平成26)年7月12日(土)— 9月23日(火・祝)

なつやすみの美術館4 生きている!

夏休みを利用して、美術館で作品の見方を学ぶ展覧会「なつやすみの美術館」の4回目です。今年は、いろいろな作品の中に、「生きている」ことがどのように表現されているか、さがしていきます。動物園や水族館では、いろいろな生きものを見ることができますが、美術館には生きているものはいません。けれども作品を見ていると、確かに生きているという印象を受けることがあります。生きているとは、どういうことなのでしょう。一言で言うのは難しいですが、だからこそ多くの作品が様々な形で生きていることを主題としています。この展覧会では4つの視点から、作品の中に表現された「生きている」について考えます。まず最初に、生きている人間の生活を主題にした作品があります。それが端的に表現されているのは、食事を取り上げた作品でしょう。あるいは日常生活の一場面を切り取った作品を通して、暮らしの中に表現された生きていることを探します。次に、いろいろな生物を通して、生きることを表現した作品があります。動物や植物を描き、その形の中に命を表わした作品を見ていきます。生きていると、いろいろな困難に直面することになります。三つめのコーナーでは、生老病死をはじめとする問題に出会ったときの、人間の態度や感情の表現に注目します。最後に、生きているように感じられる形と色の表現、そしてそれ自体が生きていると感じさせる作品を見てみます。それぞれの見方で、作品の中に「生きている!」ものを見つけ、「生きている」ことについて考える展覧会です。


わか4


◆【和歌山県立博物館】◆

640-8137和歌山市吹上1-4-14073-436-8670

和歌山県立博物館は、1963年に創設された県立美術館を前身に、1971年4月に和歌山県教育委員会所管に属する公立博物館として和歌山城二の丸跡に設立されました。その後1994年7月に、現在の和歌山城南側・和歌山大学教育学部跡地に移転し、県立近代美術館とともに新たに開館しています。当館は、和歌山県内に残された豊富な文化財を後世に伝えるため、和歌山県ゆかりの文化財及び博物館資料を、積極的に収集・保管・調査・展示し、その成果を一般に普及するための事業を行っています。館蔵資料の購入・受贈および寄託資料の受託による収集活動は、資料収集基本方針に基づいて、高野・熊野信仰に関する資料や紀伊徳川家ゆかりの品など8項目の分野に関わる資料を収集しています。資料の保管にあたっては、文化財の材質に応じた温湿度の厳密な管理を行うために、収蔵庫(6室)及び展示ケース内には独立系統による間接式の空調を導入し、24時間運転を行っています。また、総合的虫菌害管理を行うとともに、文化財の様々な劣化要因の予防にも日常的に留意しています。館蔵資料・寄託資料及び県内の指定文化財については、独自のデータベースを構築しており、資料の管理・研究に利用するほか、一部を来館者用館内端末及び当館ウェブサイト上で一般に公開しています。文化財所有者や市町村教育委員会などとの協力体制を構築することにより、その価値を認識されないまま県内地域に残されている多くの文化財を積極的に調査・研究し、その成果を展示や研究発表のほか様々な媒体・手法により、全国に情報を発信しています。その結果、調査・研究した資料が指定文化財となる場合も多くあります。展示は、きのくに─和歌山県の3万年の歴史を紹介する常設展「きのくにの歩み─人々の生活と文化─」と、県内の文化財や歴史を主題とした特別展(年間2本)・企画展(年間5~6本)を、常設展示室及び企画展示室を柔軟に使い分けながら、展示される文化財が劣化しないように常に配慮を加えつつ、年度計画により開催しています。展示解説については、展示図録・ミュージアムトーク・子供用クイズ・音声ガイド(自主制作)などにより、多様な来館者の要望に対応できるように配慮してます。講演会・博物館講座・文化財情報コーナーの運営及びホームページの公開など、一般向けに様々な形態の普及活動を実施していますが、将来の地域文化財保護の担い手となる児童・生徒・学生に対しては、観賞・見学にとどまらず、職場体験学習・学生ボランティアなど、多様な活用形態がみられるようになった学校教育との連携を積極的に行うことを重視して、内容の充実に努めています。なお当館は、文化財保護法第48条の規定に基づく文化庁長官による国宝・重要文化財の勧告出品を行う全国15施設のうちの一つであり、また1997年2月に地域の文化財の保存と公開の拠点となる施設として、文化財保護法第53条の規定に基づく「公開承認施設」に認定され、現在に至っています。


わか5


夏休み企画展「文化財に親しもう!」2014年7月19日(土)8月31日(日)

和歌山県内には、全国的に見ても、非常に多くのすぐれた文化財が残されています。この企画展は、夏休みの子ども向けに、文化財の種類や見方をわかりやすく解説します。身近な神社や寺院などに残されている、文化財の大切さをいっしょに考えてみませんか。

①時代が変わると文化財も変わるーかたちのうつりかわり

②文化財には種類があるー絵画・彫刻・工芸・書跡…

③文化財の材料ー絹と紙、絵の具と墨

④文化財がピンチ!?ー盗難・台風・地震


・・・夏休み期間は、子どもたちのためのプログラムが企画され、大人にもわかりやすく、とてもありがたいです。学校教育との連携で、夏休みの宿題に指定されているようで親子での見学も多く、ええことやと思います。