少年とカエル(5)
・・・肝心な日本を代表する作家の「少年とカエル」が抜けていました。
★1996桜通り広場公園(童々広場)/東京都府中市寿町1-12
道の両側に350本もの染井吉野の桜並木が続く「桜通り」は全長1.1キロメートル。この桜のアーチは、府中の名物のひとつとなっています。桜通りと交差する府中公園通りの両側にも、公園内にも桜が咲き誇り、あたり一帯は“桜のまち”になります。そのため、3月下旬~4月上旬の約2週間は「府中市民桜まつり」を開催。提灯・ぼんぼりが点灯され、特設ステージでのイベントや、模擬店、子供遊びコーナー、パレードなどが展開されます。府中市では、水と緑と彫刻とをテーマとする「彫刻のあるまちづくり」事業によって、これまでに17の彫刻作品が設置されてきました。その一つが「童々広場」です。
★薮内佐斗司
1953年 大阪生まれ。
1978年 東京芸術大学彫刻科卒業。
1980年 同大学大学院終了。
1982~87年 同大学保存修復技術研究室助手を勤める。
1987年 東京台東区稲荷町に作業場を構える。
1991年 東京世田谷区経堂に工房『ぶっしゅ』を開き5~6人で共同作業を始める。
2008年 平城遷都1300年祭(奈良)公式マスコットキャラクター「せんとくん」発表
現在 東京藝術大学 大学院文化財保存学教授
保存修復技術研究室にて、古彫刻の修復に携わった6年間、彫刻技術の最高とされる藤原、鎌倉時代の偶像の材料と技術を徹底的に研究出来た結果、≪ひのきの寄せ木≫を彫刻し≪漆≫を塗り≪顔料を膠≫で溶いて着色するという古代の技法を用いておられます。
薮内さんの作品は、工房作品です。『個人の力は、工房のパワーと完成度にとうてい太刀打ちできない』と言い、部品毎に取り外した寄木を複数のスタッフが同時に製作しています。1~10まで一人で制作する作品ではないので、現代に合った量産が可能なのです。
★2003呉市立美術館前「美術館通り」/広島県呉市幸町美術館通り
呉市グランドなどがある入船山公園と、入船山記念館がある小高い丘の間にある通りが、美術館通りです。1982年に美術館の開館に合わせきれいに整備され、市民の公募で「美術館通り」と名付けられました。この通りにはその名にふさわしく、たくさんの彫刻が設置されており、通りを歩くだけで美術鑑賞ができます。薮内さんの『走る童子(わらし)』は、少年とカエルが壁から現れて元気いっぱいに走り、また壁に消えていきます。
★2003打吹地区白壁土蔵群「ひとまちひろば」鳥取県倉吉市打吹公園通り
江戸時代から昭和初期に建てられた白壁土蔵や商家など昔の面影を残し情緒をかもす街並みを活かし、建物の外観を保存・再生しつつ内部を改装してショップ、工房、カフェなどとする一方(赤瓦1~12号館)、イベントの開催、特産品や観光ルートの開発などを行い、地域住民と一体となって、観光振興、まちの活性化をはかっています。「ひとまちひろば」には、ひとまちいぬ・かえる三態・諸厄退散塞の坊・上向き童子・こぼすな様・追い風福坊からなる作品があります。オブジェが点在しているため、一つ一つ探すのがちょっとした遊び感覚で楽しめます。第6回倉吉緑の彫刻賞・受賞作品。
★ANAクラウンプラザホテル福岡(旧・博多全日空ホテル)/福岡県福岡市博多区博多駅前3-3-3
ホテルの南西角にある植え込みの中を、少年(ランニング・チルドレン)が走っています。
・・・残念ながら、こちらには「カエル」の姿はありません。ホテルなので、「帰る」ではなく長く「泊まる」だからでしょう。