関西支部のおすすめ「カエル」(1)
まずは、日本で一番有名なカエル(絵)です。
◆栂尾山・高山寺(国宝)「鳥獣人物戯画」
616-8295京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8/075-861-4204
高山寺を代表する宝物で、現状は甲乙丙丁の4巻になっています。甲巻は擬人化された動物を描き、乙巻は実在・空想上を合わせた動物図譜となっています。丙巻は前半が人間風俗画、後半が動物戯画、丁巻は勝負事を中心に人物が描かれています。特に、甲巻は動物たちの遊戯を躍動感あふれる筆致で描いており、最も有名です。甲乙巻が平安時代後期の成立、丙丁巻は鎌倉時代の制作と考えられています。鳥羽僧正覚猷(かくゆう、1053~1140)の筆と伝えられていますが、他にも絵仏師定智、義清阿闍梨などの名前が指摘されているところです。いずれも確証はなく、作者未詳です。天台僧の「をこ絵」(即興的な戯画)の伝統に連なるものであろうと考えられています。
http://www.kosanji.com/chojujinbutsugiga.html
現在は甲・丙巻が東京国立博物館、乙・丁巻が京都国立博物館に寄託保管されていますので、高山寺ではレプリカ(複製)しか見れませんが・・・国宝「石水院」北側池は、天然記念物モリアオガエル生息地でもありますので、梅雨前の時期を見計らって行かれると良いでしょう。
◆関西支部としては、2005年6月26日(日)第5回見学会「京都へかえる旅」於:京都府嵐山方面を実施いたしました。
◆「『鳥獣戯画』を読む」高畑勲/光村図書6年
光村図書6年の国語教科書に、「『鳥獣戯画』を読む」という教材があります。筆者:高畑勲さんは、『鳥獣戯画』を「漫画の祖」「アニメの祖」と書いておられます。子どもたちはこの教材を学習して、『鳥獣戯画』に関心を持ち、もっと他の場面も見てみたいと思うことでしょう。
「鳥獣戯画」は、各館からのリクエストがあまりにも多く、いったん貸し出しを認めてしまうとキリがなくなってしまうので、貸し出しがとても制限されています。
近年では・・・
(1)東京国立博物館「国宝室」/鳥獣人物戯画巻「甲巻」高山寺蔵
2004年10/13~2004年11/21
絵画・書跡の国宝作品を、ゆったりとした空間で心静かに鑑賞するために、特別に設けた展示室です。東京国立博物館に所蔵、あるいは寄託されている国宝から、とくに選りすぐった作品を1件ずつ展示します。
(2)京都国立博物館「大絵巻展」2006年4/22~6/4
(3)サントリー美術館「鳥獣戯画がやってきた国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌展」
2007年11/3~12/16
(4)九州国立博物館「大絵巻展」2008年3/22~6/1