ジジ・オラマ(39)
幼少期、セメダインが接着剤の主流でしたが・・・
■カネダイン(鐘工業)大阪市都島区高倉町
ディスプレイ業界では大概の方がご存じの接着剤です。セメダインCなら知っている人は多いのですが、カネダインはあまりご存じないようです、又売っているところも限られるようです。品名は酢酸ビニル樹脂系接着剤ですが木工ボンドとは違い有機溶剤がふくまれています。木工ボンドは酢酸ビニルエマルジョン(簡単に言えば水が溶剤)です。特徴は乾燥が早い、粘りがあるので固定しやすい。透明である等です。セメダインCはニトロセルローズが成分で乾燥すると軽いので模型飛行機には向きます、難点は粘りが少ないので固まるまで何かで固定しておかないといけないことでしょうか。カネダインは発砲スチロールの接着も出来ます、溶剤が弱いのですぐにスチロールを溶かしませんが、塗布してから少し表面を乾燥さして溶剤をとばしてしまわないといけません。原料をカネボウから仕入れているので、この名前になったらしい?
・・・さて、私自身は接着剤としてより、「水風船(水爆弾)」を作るためにカネダインを購入していました。
聞くところによると、それは「カネスチック」だと言う人もいたりして
・・・
■カネスチック(菱洋株式会社)東京都港区赤坂
どうやら、関東系ではカネスチックで水風船を作ったのかもしれませんね。
さて、風船つながりで・・・
■風船玉(プラ風船)
商品名でいうと『プラバルーン(オンダ)』や『トラバルーン(とらや)』が有名です。臭いも形状もセメダインにそっくりな粘りけのある液体を、ミニサイズのアルミチューブから押し出し、付属のストローに付けて息を吹き込むと、シャボン玉のようにプーッと風船が膨らむ。適当な大きさに膨らませたらストローの根元をクリクリと回して吹き口を閉じ、ストローから外せば風船が出来上がる。この液体の正体は酢酸ビニール樹脂をエタノールで溶かしたものです。
昔は、酢酸エチルという有害物質が溶剤に使われていたこともあります。シンナー類のトルエンを溶剤に使っていたものもあって、公園で遊んでる時に強いシンナー臭が辺りに漂って「あ、誰かが風船玉で遊んでる」と分かるほどでした。「気持ち悪くなるからイヤだ」と嫌がる子もいたぐらいで、場合によっては危ない遊びだったのかもしれません。
それでも、割れないシャボン玉が現実のものになったような気分になれて、また風船を透かして見える世界はとても楽しかった・・・のです。