中之島散歩(4)
■日本銀行大阪支店
1903年の竣工で、1980年に復元・改築工事が行われています。設計者は、中之島公会堂と同じ「辰野金吾」さんです。建物は、ネオ・ルネサンス様式と呼ばれるもの。歴史を感じさせる重厚な建物です。今は旧館と呼ばれていて、1980年からの改築の際に背後に新館が建てられ、新旧の対比が見られます。
SAVの近くにある河内長野市天見の「南天苑」も・・・
■「潮湯別館家族湯」設計:辰野金吾/竣成1913年(大正2年)
天見温泉に移築「南天苑」/竣成1935年(昭和10年)
国の有形文化財に登録/2003年(平成15年)
平成14年9月、明治建築研究会・柴田正巳代表らの手によって確実な資料のもとに、南天苑本館が堺大浜潮湯別館・家族湯を移築したものであり、設計者は、東京駅・日本銀行本店・中之島中央公会堂などを設計した明治時代の名建築家・辰野金吾の設計であることが判明しました。このことにより大正・昭和初期の建築様式を偲ばせる貴重な建物であると平成15年(2003年)3月20日国の有形登録文化財に登録されました。
■国立国際美術館/シーザー・ペリ(César Pelli)1926年10月12日~
世界有数の高さを誇る超高層オフィスビルの数々や都市のランドマークとなる建築物の設計などを手がけるアルゼンチンの建築家である。サン・ミゲル・デ・トゥクマン出身。彼の設計事務所は、イェール大学で有名なアメリカ合衆国コネチカット州のニューヘイブンに本部がある。1980年代のポストモダン建築の時代に一世を風靡した彼のデザインは、曲線を描くファサードの多用、金属素材の印象的な使用で知られている。ペリはサン・ミゲル・デ・トゥクマン国立大学で建築を学んだ後、1952年アメリカ合衆国に移民し、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で学んだ。1964年にはアメリカの市民権を得た。彼の建築家としての輝かしいキャリアはエーロ・サーリネンの建築設計事務所での勤務からはじまっている。また彼は教育者でもあり、1977年にイェール大学建築学部の学部長に任命され、1984年までその任を果たしている。若い建築学生たちに向けて書いた著書『Observations for Young Architects』もある。1991年、AIA(アメリカ建築家協会)はペリを、アメリカで最も影響力のある存命中の建築家10人の一人に選定した。彼は多くの建築賞を受賞しているが、1995年にはAIAゴールドメダルを受賞し、建築の理論と実践のうえで影響を残し続ける、数多くの重要な作品を残したことが評価された。
彼の有名な作品は、例えばマレーシアの首都クアラルンプールにある、一時は世界一の高さを誇ったペトロナスツインタワーや、ニューヨークのワールドフィナンシャルセンター、ニューヨーク近代美術館増築、カーネギーホールタワー、香港の香港国際金融中心などが上げられる。
また日本でも、羽田空港第二ターミナルビル、愛宕グリーンヒルズ、日本橋三井タワー、中之島三井ビルディング、NTT新宿本社ビル(現在のNTT東日本本社)、国立国際美術館、大阪歴史博物館、シーホーク ホテル&リゾート(現在の「JALリゾート シーホークホテル福岡」)、倉吉パークスクエアなどを手がけている。
●中之島三井ビルディング
旧中之島三井ビルディング(高橋貞太郎が設計、1933年竣工)の特徴であった縦線基調の外観を継承しつつ、ステンレス・石・ガラスで外装を構成されている。なお、中之島ダイビル側の西側壁面はシンプルな外観になっている。上層階には東レ大阪本社が入居しており、東側の壁面上部に「'TORAY'」のロゴがある。
また、2002年からクリスマス・シーズンにはOSAKA光のルネサンスのイルミネーションとして、15階から30階までの東側ガラス面を利用して、ブラインドの開閉によりクリスマスツリーやサンタクロースなどの図柄を描く「ウインドー・アート」(OSAKA Buillumination)が行われている。