ルーネットのこと
おしゃれでもなんでもない私だけれど、このブラシは長年愛用している。
花王「ルーネット」、自分で買ったわけではないけれど、いろいろある中で一番気持ちいいのである。しかし、かなり古くなってきたので買い換えたいのだが、どこにも売っていない。
私と同じように思っている人も多いらしく、次のような情報を得ることができた。
■「髪に栄養ドレッサーしましょう」ドレッサーとルーネット/1974年
ヘアコンディショナーという言葉が知られてなかった頃、家庭で行うトリートメントとは「リンスを湯に溶いて髪を浸す」ことだった。そこへ登場した新製品が、花王の『ドレッサー』だった。チューブに入ったクリームを髪につけてマッサージするというもので、シャンプーの前にやるのも新しいスタイルだった。CMのモデルは『グッド・バイ・マイ・ラブ』がヒット中のアン・ルイス。翔んでる女になる前の清純派だった。ヘアケア商品のCMではお約束のストレートロングで、黒髪なのが時代を感じさせる。『ドレッサー』はシャンプー後の櫛通りが良くてこれは良いなと思ったが、シャンプーのさっぱり感が薄れるのが難点だった。しっかり洗ってしまうと『ドレッサー』の成分が落ちてしまうような気がするからだ。結局、商品としては長続きせず、80年代にはいると姿を消してしまった。理由のひとつは、厚生省の医薬品等適正広告基準の改正で、化粧品広告では医薬品的な効能・効果の表現が出来なくなり、「髪に栄養」と謳えなくなったことだろう。アン・ルイスはその後、新奇性のある商品のモデルに起用される事が多かったように思う。ドレッサー同様、短命に終わった大塚食品の即席麺『アルキメンデス』のモデルもやっていた。
ドレッサーが発売された頃、鏡台をドレッサーと呼ぶようになった。洗面化粧ユニットが普及して、JIS制定されたのが 昭和48年。化粧をする場所も多様化した。その頃、花王はヘアケア商品に力を入れていて、キューティクルという言葉を使い始めたのはエッセンシャル・シャンプー&リンスだった。
そして画期的だったのは毛先の丸いヘアブラシ『ルーネット』だ。今では毛先の丸いのは珍しくないけれど、当時は初めて見た。ブラシの密度も絶妙で髪が絡まず、把手の角度も使いやすかった。ルーネットにはアルファベット表記が無かったが、スペルは間違いなく[Lunette] のはずだ。なぜなら、Lunetteは英語で三日月型のことで、花王のロゴマークは三日月だからだ。名誉ある名前を与える程、花王の自信と思い入れがあったはずのルーネット・ヘブラシには固定ファンが多いにもかかわらず、ルーネットU、ラビナスと改名した後に、販売終了となった。
■類似品のセデュウス・ブラッシングブラシなら、現在でも入手出来ます。
【製造元】池本刷子工業
578-0934 東大阪市玉串町西1-3-27/0729-64-2331
【SEN-705 R セデュウス ブラッシングブラシ商品詳細】
●髪と地肌をいたわる毛先の丸い4本植え
●毛先が球状になっているので頭皮にとてもやさしくマッサージ効果があります。
●毛の間隔がつまっているので短い髪も逃がしません。
●髪と地肌をいたわり、髪のもつれや流れを整えキレイにまとめます。
【品質表示】
柄の材質・・・AS樹脂
毛の材質・・・ナイロン(耐熱温度80℃)
・・・ということで、早速注文しました。使い古した「ルーネット」はかなり腰が弱くなっていたようです。新しい「セデュウス」は、結構刺激が強く感じられましたが、やっと出会えたと満足しています。
■ルーネット(Lunette)
1三日月[半円]形の物
2建築半円形の壁面;その部分にある絵画・窓など
3築城三日月堡(ほう)塁
4半蹄鉄
■三日月
a new moon; a crescent (moon)
■クレッセント(crescent)
1三日月形のもの。三日月形のパン。「―ポケット」
2引き違い窓などの、三日月形の締め金具。鍵の役目をする。クレセント錠。
■クロワッサン【(仏)croissant】
《三日月の意》バターを多く使って焼いた三日月形のパン。
■デクレッセント(decrescent)
1しだいに減少する,漸減的な(⇔incresent)
2〈月などが〉欠けていく(waning)(⇔incresent)
3〔紋章〕〈三日月形が〉先端が盾形の左(sinister)を向い ...
・・・いろいろ調べると、おもしろいですね。
■セデュウス(SEDUCE)
1〈若い未熟な人を〉誘惑する;〈人を〉そそのかす;そそのかして(…に)誘い込む[(…を)捨てさせる]
2(よい意味で)〈人を〉魅惑する、引きつける
・・・「セデュウス」って、むふふですね。