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防災頭巾


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防災頭巾は、地震や火災などの災害時に熱風や落下物などの危険から頭部や首を守るものです。戦時中、空襲の火の粉から頭部を守った「防空頭巾」に由来し、座布団を2枚組み合わせたものが防空頭巾の始まりでした。畳に座る日本文化から生まれた産物の一つで、その形は武士が戦場で頭部を守った兜にも似ています。


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■東海地方から普及

小学校に防災頭巾が普及し始めたのは、1970年ごろのことです。静岡県や神奈川県など、東海地震が予測される東海から南関東の学校を中心に備えられるようになりました。文部科学省(国の役所)の担当者によると、防災頭巾を小学校で用意するかは各自治体の判断に委ねられているようです。そのため、ひと昔前までは九州から静岡県に引っ越した児童が、「防災頭巾って何?」と驚くこともしばしばあったようです。新潟、福岡、熊本、宮城など、日本各地で地震が相次いだ2005~06年ごろから、東北や西日本にも広く普及し始めたといいます。


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■首回り・肩まで守る

外国では頭を守る道具として「ヘルメット」が一般的です。では、なぜ日本の学校では防災頭巾が使われているのでしょうか?防災頭巾が優れている点は、成長期の小学生でもサイズを選ばず毎年買い替える必要がない。収納に場所をとらず普段はカバーに入れて座布団として使える。頭だけでなく首回りや肩のあたりまで守ってくれるなどが挙げられます。

お母さんのお手製も多い防災頭巾ですが、最近では炎に強く燃えにくいアルミ加工のものや、中綿を二重にしたクッション性がよいものなども売られています。形は変わらずとも、安全性を上げるさまざまな工夫がされています。

日本防炎協会の資料によると、1995年の阪神大震災時に、被害を受けた学校は全体の85.5%にあたるそうです。天井の落下や窓ガラスの破損が、教室での主な被害として挙げられ、掃除用ロッカーの転倒や蛍光灯、時計、額縁等の落下も報告されています。教室で地震が発生したら、まずは机の下などに身を隠すことが大切です。そして、外に出る時は、防災頭巾をかぶり破片や落下物から頭を守りましょう。災害が発生した場合、その状況下で少しでも被害を減らす努力が求められます。「減災」につながる備えとして、防災頭巾は有効です。


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■職人技/中綿入れて手縫い、東京都葛飾福祉工場

1972年に開設した東京都葛飾福祉工場(東京都葛飾区)では、防災頭巾をはじめ、保存食料、簡易トイレなど約1000種類の防災用品を製造、販売しています。「シルバー防災頭巾」「CS防災頭巾」「学童用防災頭巾=写真」(3643~4410円)の3種類があります。防災営業部の清水心さんは「防災頭巾は、以前は家で作っていましたが、今はお店で買う方が多いようです」と話します。布から型を切り抜き、中綿を入れ、手で縫う作業は開設以来変わっていません。しかし、技術が進歩し、燃えにくい難燃性の繊維や綿が開発され、使われています。それでも清水さんは「燃えにくいということであって、燃えないわけではありません」と注意を促します。
髪の毛を火の粉から守る「防空頭巾」から、いつごろからか頭を守る「防災頭巾」として認知されました。「防災の日」の9月1日や、阪神大震災が起きた1月17日の前後は、防災頭巾が急に売れます。「防災頭巾は、あくまで補助です。なぜ、防災頭巾をかぶるのか、防災用品の本来の意味を理解して使ってください」清水さんは「防災訓練で学んだことを思い出し、あわてず、落ち着いて行動しましょう」と話しています。


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防災の第一は・・・自分の命は自分で守ること。


そのために、落下物などから頭を守って

机などの下にもぐって揺れがおさまるのを

ジッと待つことです。


その間に、揺れがおさまってからの行動について

気持ちを落ち着けて整理しておくことです。