がんばれ(4)
2011年6月9日、村上春樹さんがカタルーニャ国際賞を受賞された。
■カタルーニャ国際賞
審査員は科学、経済、芸術、文化の各界で活躍する知識人で「文化、科学、人文科学分野の価値の発展のための意欲的・創作的活動が評価された人」に対して授与される賞。毎年1名が対象で、今年は、候補者が56カ国、225団体から推薦を受けた196人の中から村上氏が選出された。「東洋と西洋の文学の懸け橋となった」ことが評価された。賞金として8万ユーロとアントニ・タピエスの彫刻作品『La clau i la lletra』(カタラン語。西語ではLa llave y la letraで「鍵と文字」の意)が贈呈された。
■アントニ・タピエス(Antoni Tàpies、1923年12月23日 - )
スペインの現代芸術家。スペイン・バルセロナ生まれ。20世紀の現代美術の巨匠の一人と言われている。1950年に初めての個展をバルセロナで開催、以後パリに居を移す。タピエスは、初期の頃はパウル・クレーなどに影響を受けたシュルレアリスムの画家としてキャリアを始めたが、その後すぐ抽象表現主義に進み、美術用画材ではないものを利用した芸術である「アルテ・ポーヴェラ(Arte Povera)」スタイルで創作活動を行う。1953年にはミックス・メディアでの創作を開始、後にこれが彼の芸術への最大の貢献と評価される。このスタイルの一つの例は、粘土と大理石粉を絵具に混ぜ、廃紙、糸、絨毯などを使用している。
国際的な評価は1950年末までに定着し、1960年代初期まではエンリケ・タバラ、アントニオ・サウラ、マノロ・ミラレスや他のスペイン人アンフォルメル派の芸術家と作業した。1970年代にはポップ・アートの影響を受け、家具の破片などのもっと大きな物体を絵画にくわえるようになってきた。タピエスのアイデアは世界中の芸術、特に絵画、彫刻、版画の分野などに大きな影響を及ぼした。世界中の様々な美術館に彼の作品が収蔵されている。スペイン・バルセロナには彼の作品を集めて展示している「タピエス美術館(Fundació Antoni Tàpies)」がある。
彼の作品は、クレーやミロより「書」に近いと感じる。
彼の作品に惹かれるのは、それが原因かもしれない。