アートライン(1)
■JOBANアートライン
JR常磐線沿線には、上野の「国立西洋美術館」や「東京文化会館」、「東京都美術館」、日暮里の「サニーホール」や、北千住の「シアター1010(せんじゅ)」、亀有の「リリオホール」、松戸市の「森のホール21」、さらに、柏の「アミュゼ柏」、我孫子の「けやきプラザ」など多くの施設が立地し、活発な文化活動が展開されています。また、上野には日本のアートの代表である東京芸術大学のキャンパスがあり、周辺には奏楽堂、芸大美術館といった文化芸術の中心をなしています。加えて常磐線沿線には、北千住の音楽環境創造科、松戸の国際交流会館、そして美術学部を中心とした取手キャンパスがアートラインを形成しています。このようなアートのつながりを貴重な資源と考え、JR常磐線沿線のイメージアップと沿線自治体の活性化を図ることを目的として、平成18年にアートを基調とした沿線情報の共有と連携環境の整備により、沿線内外への情報発信力の強化と交流人口の拡大を目指すため、JOBANアートライン協議会を設立しました。
■松戸アートラインプロジェクト(通称:MALP「マルプ」)
「松戸アートラインプロジェクト」は、JR常磐線沿線の4区4市(荒川区・台東区・足立区・葛飾区・松戸市・柏市・我孫子市・取手市)と東京藝術大学、JR東日本東京支社が、イメージアップと沿線自治体の活性化を図ることを目的に設置した「JOBANアートライン協議会」の趣旨に則り、松戸市がまちづくりNPOと協働で今年から実施するアートプロジェクトです。松戸市の特色ある社会資源を活用してアートの振興を図るとともに、次世代を担うアーティストの多様な価値観と地元との交流により活気ある松戸のまちを作っていくことを目指しています。「松戸アートラインプロジェクト2010」は、11月20日(土)から12月19日(日)の期間に、松戸駅西口の空き店舗や歴史的建造物等の施設、空間を利用して、31組のアーティストが作品制作や展示を行ないました。
■松戸アートラインプロジェクト2010/アートテーマ「森」
古くは水戸街道の宿場として栄え、昭和の高度成長期には日本有数の団地が建てられ、多くの人が集ってきた町、松戸。河岸段丘に沿う緑豊かな斜面林と市内を流れる坂川、古い街道や歴史的建造物などが点在する松戸駅前。31組の新鋭アーティストが、街を舞台に作品制作や展示を行うほか、シンポジウムやワークショップ、地元の伝統工芸との接点をつくり、松戸の魅力再発見のプロジェクトを展開しました。アートの介在により、さまざまな人やことやものが行き交い、集積し生み出し、まちが変容していくことを体験します。人とまちの近しい関係を再構築し、アートとまちなみが一体となる1ヶ月が繰り広げられました。松戸駅は徒歩10分圏内に緑地と川が存在し、自然に恵まれた環境にあります。またその狭い範囲に旧街道や商店街、歴史的建造物、マンション等、そして多くの市民が生活する地域です。このことを踏まえ、松戸の多様な要素を『森』として捉え、制作および展示に反映させました。森に込められた含意としては、独自の生態系をもった空間世界、自然、エコロジー、生命、記憶、多様性、複雑系、無正面性、にぎわい、調和、リラックス、等の要素があります。
●ニュートラル/山中彬充
1986年富山県生まれ。その場所の特性を抽出しながら空間を変容させる。階段もおもしろいが、側面の張り合わせたような板が興味深い。
●NEXTEFX/大山康太郎
1979年奈良県出身。京都市立芸術大学卒。2001年「DOPPEL」結成後、ライブペイントを主軸に活動を展開させる。紋様を題材とし、自身の民族的感覚を掘り起こすスタンスに様々なアイデアを落とし込む。壁画、空間プロデュース、デザイン等、その活動の幅は広い。
・・・ようやく、ドームを発見しました。