造形楽語の会(10)
SAVの森を整備していると、多くの蔓植物を発見します。ツタ・フジ・カズラ・アケビ・クズなど様々な種類があるようですが、素人の私には見分けがつきません。放置しておくと、森林の成長に大きな影響を与えるようです。すなわち、森が荒れてしまうわけです。そこで、先人たちは、これらの蔓を利用して生活に役立てつつ、森を守ってきたわけです。
人類は、二足歩行を獲得して以来、自由になった手(前脚)で様々な道具を開発してきました。その発展に寄与したのは、これらの蔓ではなかったかと思います。現在の「ひも・ロープ」です。
高いところからの上り下り、追いつけない動物を捕らえるために、その獲物をしばったり運んだり、そして住居を作るときに・・・と「ひも」は様々な工夫をされながら進歩してきたのでしょう。巻く・くくる・しばるわけですが、重要なのが「結ぶ」ことでありました。さらに、その繰り返しによって「編む」ことができることを発見し、網・布・籠などが続々と作られてきたと思われます。
その過程を思い浮かべながら、「結び」の美しさを体感していきたいと思います。
農耕が始まり、森林の蔓だけでなく、食料とした後の草や茎(藁)なども大いに活用しました。弱い細い植物を縒り集めて強く太くする・・・「綯う」という行為は、本当に素晴らしい技です。そして生み出されたものが「縄」であるわけです。
その縄や紐から、さらに多くの「結び」「編み」が発展するわけです。
その基本が「3つ編み」です。
現代社会の様々な場面で多く見かけられます。
特に、女性の3つ編みの髪にゾクゾクするのは・・・私だけでしょうか?