岐阜寒梅
岐阜県における藍の品種を調べていると・・・「岐阜寒梅」に出会った。日本の伝統的紋様だという。
■松江藍手まり 点から美しい線へ、広瀬絣の糸かがりで描く藍のグラデーション!日本の様式美を表現する松江藍手まり。江戸時代の御殿まりを原型とする城下町で良く見られたふる里の手まり。明治に入ってゴムまりの輸入により忘れられた手まりが工芸的な価値を見直され、伝統のふる里の手まりとして、新しい装いで復活しました。水の都の城下町島根県松江市。日本と西洋のかけはしを築いた小泉八雲が愛でた町です。中央から隔絶ししたこの地域には、古代の文化が花開き、古い習俗を大事にする風土があります。昔からの年中行事や民間信仰などの伝統的な文化が残り、日本の各地にあった習俗の流し雛・木地雛、天神信仰に起因する土天神、こま・凧、張子の人形(飾り馬、張子虎)、神楽面、御殿まり、姉さま人形など今でも息づき、”島根は郷土玩具の宝庫とも言われています。「広瀬絣」は弘化、嘉永(1844~54)のころから広く知られ、その特徴は、たて糸とよこ糸に染められた大胆な紋様のデザインです。「藍てまり」は藍染した青紫の濃淡の広瀬絣糸を使います。規則的な紋様は花や縁起のよい亀甲模様や大麻模様など日本の様式美を表現しています。
■城下町広瀬に伝承される染めと織り
広瀬絣の始まりは、文政7年に町医長岡謙祥の妻女であった長岡貞子が伯耆国米子町から絣の染織を伝授され帰郷し、町内の女性たちに伝え広めたのが、始まりとされています。それまでの衣服は一般には麻で有り、この絣り文様と肌ざわりは広瀬の女性たちに、絣の技術を受け入れるに充分な魅力を持っていました。広瀬絣は大柄の絵文様を得意とし、複雑で精密な絵文様を正藍1色に濃淡を交えて、図柄がくっきりと浮かび上がる様に織ることで、洗うほどに風合を増す正藍染めをほどこしたものです。島根県東部の安来市広瀬町で生産される木綿絣。創始は文政年間(1818~30)ごろから農家の副業として地機を用いて織られ、明治期には盛んとなり、明治末年には年産10万反といわれましたが、1915年(大正4)の大火以後は急速に衰退しました。第二次世界大戦以後、わずかながら復興をみていて、民芸的生産が行われています。絵絣が中心で、その多くは緯絣。倉吉絣などの山陰絣と同じく、絣糸を絵台と緯綜台に張り渡し種糸をつくり、絣つくりをする技法によるものです。
■島根県安来市広瀬町に明治3年から138年間続く藍染めの老舗天野紺屋さんがあります。現在27歳の天野尚さんが伝統を継承していらっしゃいます。広瀬の絣は「広瀬の大柄、備後の中柄、久留米の小柄」と言い伝えられているように、幕末から明治、大正にかけて、久留米絣と優劣を競うほどに名声が広まっていたと言います。天野さんは染物を学ぶため京都の短大に進学され、染め、織り、テキスタイル全般の基礎を学ばれました。卒業後は迷うことなくふるさとに帰り藍染めの世界に身を投じられました。ところが藍染めを始めて半年後に祖父であり師の圭さんが病で倒れられ、現場で指導を受けることができず、いきなり苦境に立たされたのです。病院でアドバイスを受けるものの当時は理解できず暗中模索の状態だったとお聞きしました。130年の伝統の重みに押しつぶされそうになりながら藍との格闘が始まったのです。藍染めは藍液の管理がとても難しく、液の状態を目で見て、鼻でかぎ、舌で確かめながらまるで会話をするかのごとく藍と向き合う必要があります。蓼(たで)という植物の色素が藍の元になっていますが、それをスクモという藍の原料にしたものが14個の藍甕(かめ)の中に入っています。基本的には藍は水に溶けない性質なのですが、アルカリには溶けるという性質をバクテリアが助け、色素交換し染色が可能になっています。実はそのバクテリアは空気に触れることを嫌いますが染める工程で空気に触れるのでバクテリアは弱体化します。バクテリアが死んでは藍染めはできませんので、小麦の殻を使った麩(ふすま)という栄養を定期的に与え管理されています。藍染めではこの発酵管理が最も難しく、温度、ph管理がとても重要です。これは正に化学の世界です。天野さんから「ホワイトインジゴからインジゴに変わり・・・・・」という説明を受けた頃には頭の中は大混乱。ギブアップしてしまいました。藍染めの奥深さがここにあります。祖父の圭さんは広瀬絣の再興に力を尽くしてこられました。1962年に広瀬絣が県の無形文化財に指定され、祖父である圭さんは正藍染め技能保持者として、ほかの手織り技能保持者とともに認定されています。尚さんはその伝統の継承者としてこれからの活躍が期待されています。他にも、4年前から型染めといって、木綿や麻に切り抜いた型を置き、防染糊を施した部分に藍が入らないことで白抜きの紋様を染め出す作品も作っていらっしゃいます。又、工房にはたくさんの機織り機があり、絣も織っていらっしゃいます。染める前の糸の束に織り上がりの模様を組み込んで染まらない仕掛けがされていて、染上げて織ると見事な模様が浮かび上がる技術には圧倒されます。
“縁”と“円”をかけた言葉遊びが面白い「円結び」のれんはNHK連続テレビ小説「だんだん」劇中のそば屋にもかかっているもの。ただの蝶結びでなく、もう一つ強く結ばれているところにご注目。