シルバーシート
退職前のご夫婦が陶芸体験教室に来られたこともあって、「きらっ(輝)」つながりでシルバーについて調べてみました。
シルバーシートは昭和48年9月15日の敬老の日にはじめて国鉄の山の手、中央、京浜東北線に設置されました。旅客局によると、この名称は、それ以前に50歳以上の夫婦の旧婚旅行用に、シルバー周遊券というのを発行したので、その連想から名づけたものだそうです。そういうわけで、これ以後「シルバー」といえば老齢、高齢、老人問題関係のキャッチフレーズに目立って使われるようになりました。でもなぜシルバーなのでしょうか。確かに「銀婚式」silver anniversary、「銀髪」silver hairなどの言葉もあるように、老人のイメージがありますが、これはあくまで日本のイメージ。英語では「グレー」なのです。たとえば、「年の功」はgray wisdom、「老年の」はgray hairedと言います。ところが、我が国では「グレー」というとあまりいい印象を持たれていません。どぶねずみ色、灰色、と表現されるようにあまりきれいなイメージがありません。「グレーゾーン」といえば、曖昧という意味もあります。それに比べるとシルバーの方は銀色で、銀色の食器、腕時計などというように、高級なイメージをかり立てます。こういった日本人の持つイメージから、あえて「グレー」と表現することを避けて「シルバー」を老人のイメージ用語としたとのこと。先入観を消すのは難しいと考えたからこその結果なのです。
最初に優先席を導入したのは東京都交通局(都営地下鉄)であった。その後、旧・日本国有鉄道(国鉄)で設定した当初、高齢者や身体障害者を対象にし、他の座席と区別するため、新幹線0系電車の座席に使うシルバーグレー色の予備布地を利用してシートを設定したことから、シルバーシートの名前を付与した。私鉄など他の事業者については座席表地の色については必ずしも踏襲していないが、識別マークはシルバーシートを引き継いだ。呼称は「シルバーシート」「(お年寄りや体の不自由な方の)優先席」とまちまちであった。しかし、1990年代後半からは利用対象を高齢者や身体障害者以外にも怪我人、妊婦、乳幼児連れなど一時的に何らかのハンディキャップを持つ人に拡大するため、高齢者専用を思わせる「シルバーシート」という名称から各鉄道・バス事業者とも「優先席」への変更が進んでいる。
敬老の日と養老の滝
「敬老の日」は本来「としよりの日」として1954年に国民の祝日に制定されました。その後「としよりの日」という名前はいかがなものか、ということで「老人の日」にいったん改名され、1966年に現在の「敬老の日」となりました。実は制定されるずいぶんと以前から、老人を敬愛し長寿を祝う日はありました。その起源としては主に2つの説があります。
1つは、聖徳太子の説。聖徳太子が現在の大阪に悲田院という今でいうところの老人ホームのような身よりのない老人や病人、貧しい人たち救うための施設を開いたのが9月15日だったため。
もう1つは、元正天皇の説です。元正天皇が717年に養老の滝に御幸し年号を「養老」に改元したというもの。
さらに「養老の滝」には「敬老の日」と結びつきの強い言い伝えがあります。とある父親思いの息子が老いた父親に酒を飲ませたいと願ったところ霊泉から酒が湧いたというもの。これにもとづき、全国的に9月中旬に地域のお年寄りを招待して敬老会を開くということが以前から行われており、そこで9月15日を敬老の日に定めたというものです。