「胡蝶の舞」という美しい題をもった手品があります。現在でも演じられている日本の代表的な手品が「紙蝴蝶飛(しこちょうひ)」です。もともと、白紙を蝶の形に切って飛ばす術ですが、江戸後期の文政年間には、江戸の河岸で、大阪の手品師・谷川定吉の、紙で作った蝶を扇で生き物のように飛ばす「浮連(うかれ)の蝶」が人気を集め、この芸が江戸の柳川一蝶斎に伝わり、「胡蝶の舞」として完成したと言われています。その後帰天斎や松旭斎などが受け継ぎ現在は、「帰天斎正一」師や「松旭斎すみえ」師が当時の情緒溢れる蝶々の芸を残しています。流派によってそれぞれ呼び名は違いますが、胡蝶の舞というのが一般的で、「松旭斎正恵」師、「藤山新太郎」師も行っています。
一枚の白紙を切り、紙で作った蝶に扇の風をおくることで本当に生きているかのように蝶を舞わせる芸です。蝶をただひらひらと飛ばすだけではなく、紙でできた蝶が、あたかも自分の意志があるかのように蜜を求めて花のそばに舞って行き、水を求めてはお椀のところ飛んで行きます。また開いた扇子の縁にそって、端から端までゆっくり渡って行き、さらに途中からは二匹になった夫婦の蝶が飛び交い、最後は舞台一面に広がる無数の千羽胡蝶となり、舞台一面を覆いつくします。
プロマジシャン上口龍生公式サイト
http://www001.upp.so-net.ne.jp/ryusei/index.html
実演映像が紹介されています。Paper Butterfly
http://homepage.mac.com/happy_prince/iMovieTheater.html