バウハウスの画家(3) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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そして色彩論のヨハネス・イッテン。イッテンの授業は、体操によって身体に運動感覚をみなぎらせてから、全速力で詩の文句や自分の名前を何度も書き取り、それが最高速度に達したとき、速度を落とさないまま、コップや洋ナシを一筆がきでさっと描くというもの。物の形を意識して捉える以前の段階の、身体感覚が直接感じ取った形を引き出そうということだろうか。そもそも「正解」の無いものをどうやって教えたら良いのか、教師たちの悩みは尽きない。イッテンは、課題を添削するかわりに生徒たちと討論し、理論や技術に加えて呼吸法や運動・食事にいたるまで美術教育に全人教育的要素を盛り込みました。それは、イッテン理論の根底にある「主観的に捉え、客観的に分析する」ことを言葉ではなく全身で理解させるためのアプローチだったのでしょう。「彼が目標に到達しようとするなら車を下りて(学んだことを捨てて)自分の足で歩かなければならない」というようなことも言っています。