大学の講義で「紋様」について学んだ時、単純でありながら素晴らしいと感動したのが「立涌」であった。その時は「泉が湧いて出る様子」と教えられたので「立湧」と信じていたのだが、いろいろ調べてみると・・・立涌の起源は唐草文様からきていると考えられ、ササン朝の影響を受けて「波状唐草」を向合わせにして束ねたデザインが流行したことから派生したらしい。同じような立涌文様はオスマントルコでも発達し、イタリヤの絹織物のデザインと影響を分け合ったということである。日本では、水蒸気が涌き立ち上がる状態に見立てた紋様とされており、ふくらみの部分に雲、唐花、波などの模様を配して使う場合が多い。染織の紋様として広く用いられている。