懐かしい香り(2) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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小さい頃、お風呂上がりにパタパタと母に塗ってもらった天花粉(天瓜粉)。ベビーパウダー、シッカロールなどもあります。天花粉は、ウリ科のキカラスウリ(天瓜)の括楼根からとった白いでんぷんのこと。そのでんぷんは水分をよく吸い取るので、その吸湿性を利用してあせもの治療に用いられてきました。その粉末が雪(天花)のようにサラサラしていることから、天花粉と呼ばれました。日本では天花粉のほかに、米粉、牡蠣粉なども使っていたようです。すべて、皮膚をよく乾かしてくれるという理由です。欧米ではコーンスターチを使っていたようですが、これも、天花粉と同様、粒子の細かいデンプンです。シッカロールって言うのは商品名だと思いますが、日本で最初に作られたBabyパウダーで、デンプンと酸化亜鉛とタルクを配合したものです。タルクは滑石という石を細かい粉末にしたもので、成分が含水ケイ酸マグネシウムです。医薬品や化粧品のベースに使われます。おもしろいところでは、靴職人がアッパーを吊り込む前に天花粉(タルカムパウダー)を木型に擦り込んで木型を抜きやすくするという話もあります。