潜水戦隊帰投せず(1955・英) | まなぶんの戦争映画辞典

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潜水戦隊帰投せず(ABOVE US THE WAVES)

 

監督 ラルフ・トーマス 

出演 ジョン・ミルズ、ジョン・グレグソン、ドナルド・シンデン、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス、マイケル・メドウィン、ジェームス・ケニー、O・E・ハッセ

第二次世界大戦中のイギリス。英海軍首脳部は、ノルウェーにいるドイツの戦艦ティルピッツに頭を悩ましていた。フレイザー中佐(ミルズ)は人間魚雷をもってすればティルピッツを撃破し得ると確信する。中佐は志願者を募ってこの作戦のために猛訓練を行った。潜水艇とまで呼べない程の小艇に、潜水服に身をかためた勇士が二人ずつ乗りこみ、海中から時限爆弾を敵艦にしかけようというのだが・・・・・・
潜水艦映画なので軍用車両はあまり出ません。この軽車輛はモーリスかハンバーあたりでしょうか。
主役はもちろん潜水艦です。最初の出撃で使われるのは、2人乗りの小型艇で、潜水服を着てまたがります。これは特殊潜航艇チャリオットというもので、漁船の横にくくりつけておいて、目標に近づいたら切り離します。
チャリオットによる作戦が失敗したあと、次の出撃に使用するのがより大型のX艇です。4人乗りの小型潜水艦です。
目標付近までは通常の潜水艦で曳航します。後ろに空母が見えますが何だろ。
軍港のシーンに登場する「F399」の艦が気になったので調べたら、HMSティンタジェルキャッスルというコルベット艦でした。
目標のティルピッツは遠景のみ。模型くらい出して欲しかったです。
ティルピッツの副砲です。セットですがまあ頑張ってます。
主役のフレイザー中佐(ミルズ)。戦争映画の常連で、1973年に「サー」の称号を得ています。戦争映画では「激戦ダンケルク」「巨艦いまだ沈まず」などに出演。
脇の俳優陣もなかなかです。左はダフィ少尉(グレグスン)。ジョン・グレグスンは「史上最大の作戦」の牧師役や「将軍たちの夜」のタンツ将軍の副官サンダウアー大尉など戦争映画に結構出ています。右は下士官のスマート(メドウィン)。マイケル・メドウィンは「史上最大の作戦」のブレンキャリアーの下士官役でした。
こちらはライデル提督(ロバートソン=ジャスティス)。作戦に否定的でしたが、乗っていた艦に爆薬(模擬)が仕掛けられて、部隊の能力を認めOKを出します。代表作は「謎の要人悠々逃亡」など。
ティルピッツの艦長(名無し)を演じたのはO・E・ハッセ。捕虜たちをたたえ敬礼するところがカッコいい。ドイツ映画の重鎮で、英米の映画への出演は珍しいかも。出演作は「誰が祖国を売ったか」「08/15シリーズ」など。
怖そうなドイツ水兵を演じたワルター・ゴテル(中央)。この後、捕虜たちにシュナップスをご馳走してくれるいい人でした。悪いSSの方が似合うのに。ミスキャストです(笑)。
 
(寸評)
X艇によるティルピッツ攻撃作戦は実話で、同じテーマでは後に「潜水艦X1号」が公開されています。しかし邦題はネタバレが過ぎるだろ(笑)。内容はスリリングで脚本もよく、潜水艦もおそらく本物が使われており、おススメの作品です。
(評価)☆☆☆★(5点満点)  *DVD