ある平日に、「那須の会」と題して、男4人で那須塩原の旅に出ることになった。
車で那須塩原へ到着してすぐ、人気のそば屋で腹を満たし、すぐ近くのスーパーで買い出し。飲食店の人が食材の調達に来るというだけあって、野菜や魚がとにかく安い。
みんなが「トマトとかいいですねー」と買おうとしたので、「僕はトマトは苦手でして……」と言うも、「ああ、そうですか。じゃあたくさん買いましょう」と、問答無用で大量購入(笑)。
その食材をUさんのロッジに置いてから、再び車に乗って那須観光へ。
まず訪れたのは南ヶ丘牧場。ここも週末は家族連れなどで賑わうらしい。
「素敵なステッキ」が売っていて、あまりの素敵さについ23本買いそうになったが、ギリギリのところでなんとか思いとどまった。
「ペロシキ」という謎の食べ物が売っていたが、これは「ピロシキ」とは違うのか?結局明らかにならないまま、南ヶ丘牧場を後にした。
続いて那須の観光名所として名高い「殺生石」を見に行った。昔、九尾の狐という妖怪がこの地にいたらしいのだが、それを封じ込めたのがここに残る「殺生石」だという。
道中には千体地蔵さんが。合掌している手が大きいのが特徴。
「殺生石」から少し下ったところにある「鹿の湯」へ。なんと正倉院文書にもその名が残っているらしく、開湯1380年とのこと。まさに「霊泉」と呼ぶにふさわしい、強い力を感じる温泉。
男湯の方は6つの湯に仕切られていて、42度〜48度までの温度の違う湯が楽しめる。僕は44度まで入ったが、I君は果敢にも48度に挑戦。そこで感じたのは、もはや熱いのか冷たいのかすらわからない「痛み」であったそうだ(笑)。
そこからロッジに帰って夕食へ。おっさん3人が話し込んでいる間に、I君がオシャレな料理を作って次々とテーブルに運んでくれる。
嫌がらせであるかのようにトマトが使われていたので、僕はもちろん上に乗ってる刺身だけ食った。
こちらもトマトはよけて野菜とタコをメインでいただく。
ロッジの主であるUさんが、「調味料やお皿の場所を教えてないのに、何で全部分かるんですかね?」と驚いていると、I君は「作る前にだいたいチェックすればわかります」とのこと。やっぱり普段やってる人は違う。
そのまま日付が変わる頃まで語り明かし、翌朝はテラスでの朝食。
「料理ってのは、どうしてこう、食べる場所によって味が違うんですかねえ」という言葉が誰からともなく出てきたが、本当にそのとおり。
朝食を終えたら、さっそくみんなで塩原にあるという「野蛮な温泉(仮)」に向かった。
こちらは途中で立ち寄った吊り橋。
絶景かな。
滝も見えた。
こちらが「野蛮な温泉」として名高い「岩の湯」。もちろん混浴です!!
ところが落石のため現在は入れないようになっていた。無念。
このまま帰るわけにはいかん!というわけで、少し離れたところにある「もみじの湯」へ。
こちらも、向かいにあるレストランからほぼ丸見えという「野蛮な温泉」である。
とはいえ、「野蛮な行為」は禁止されているので注意が必要。
常連さんとも少しお話をしたりしながら、自然のエナジーを回復させた一行なのであった。
このあと、近所にあったそば屋さんで昼食をとった。大将に「そこの温泉は猿も入るんですか?」と聞くと、「昔は入ってたけど、猛獣よけのスプレーを撒いちゃったんで、それからは来なくなったね」。
僕らが思わず「それは野蛮ですね〜」と冗談半分で言うと、大将は「人間が一番野蛮だからね」とつぶやいた。まさにこの旅の総括にふさわしい一言であった。