人生で初めて、句会というものに参加した。
たまたま友人の母親が俳句をやっていて、僕が「俳句興味あるんっすよ〜」などと軽く言ったところ、さっそく句会にお誘いいただいてしまい(笑)、緊張しながら足を運んだというわけである。
初参加ではあったが、僕も5句ほど持ってこいとのお達しがあったため、恥をしのんで持参した。
まあまあと首みぎひだり扇風機
傘さすかささぬかさすか走り梅雨
今日くらい家に上がるか梅の雨
簾さえぐつたり垂れる昼寝どき
もそろそろ五月雨恋し地蔵菩薩
句の作者が匿名のまま、発表と講評が行われるので(最後は開示)、みんな作者を意識することなくコメントすることができる。僕の作品にも実に適切なご指摘をいただいた。
大切なのは「具象化」することで、そのへんが短歌とは違うようだ。あと、俳句には「事実」はそれほど重要ではないようだ。その時に雷が鳴っていたから「日雷(雨を伴わない雷)」という季語を書いたとしても、他にもっとその句を引き立たせる季語があれば、そちらを用いた方がよいというのだ。極端に(僕の解釈で)言ってしまえば、「うそっぱちでよい」ということになる。確かに芭蕉の句も、そこに嘘(妄想?)が混じっているところに魅力があると聞いた覚えがある。つまりその人の個人的な経験の記述よりも、ひとつの作品としての句の完成度の方が大切だということなのだろう。違ってたらごめんなさい(笑)。
参加者はご年配の方々が多くて、僕みたいな若造の相手をするのは大変気を遣われたことと思います。このブログを読んでいるはずはありませんが(笑)、どうもありがとうございました。
ちなみに句会にお誘いくださった友人のお母さんは、なんと句集も発表されています。
大谷のり子『豚の睫毛』壱岐坂書房、2013年。
どの句もすばらしいのだが、僕が特に気に入ったのがこれらの句。
遠花火術後の夫と見てゐたり
大仏の背中の窓に春の風
本堂の蜘蛛丁重に掃き出され
いいですね〜。
気になる方はぜひ手に入れて読んでみてくださいませ。おそらくAmazonとかでは手に入らないので、出版社にお電話いただくのがよさそうです。
壱岐坂書房(048-754-2158)
ちなみにきのうは、そのお母さんの息子のお店「ヤギサワバル」で、友人らとクラフトビールを楽しみつつ、しっかり句会の報告もさせていただきました(笑)。
さて、僕も今年の夏は、俳句力向上のために、奥の細道にでも旅立つかな。