横尾忠則『死なないつもり』ポプラ社 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」

 

 

なんでもかんでも

効率化しようとする世の中で、

芸術家の存在の重要性は

ますます大きくなっている気がする。

 

こう言うと怒られるかもしれないが、

それはその人の作品以上に、

その人の生き方においてである。

 

もちろんその人の作品と

その人の生き方を分けて考えることは

できないのだけれども。

 

「目的も評価も頭から一掃して、

 つべこべ言わずに描きたいものを

 描けばいいのです」

 

と横尾さんは言う。

 

そもそも効率化なんていうのは、

有限性を前提にしなければ成立しない。

 

目的を明確にするから、

そこまでのプロセスを効率化できるのであって、

目的としての結果を明確にしなければ、

効率化などできないのだ。

 

「目的を明確にして、それを達成する」

 

短期的にはそれでいいけれども、

それを人生に当てはめてしまったら、

あまりに息苦しいし不自由だ。

 

少なくともそんな

「頑張ったらできる」ようなことに、

一生を使いたくなどない。

 

横尾さんもきっと

そう思っているのではないだろうか。

 

ほんまのところは知らんけど。

 

 

 

 

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