「広島カープの強さ」と「人類史の転換点」 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
少し前に、「カープが強い」
というタイトルでブログを書いた。

その時は、
マエケンという大黒柱の不在が、
周りの選手の潜在能力を
引き出した可能性について述べた。

そしてその後は
さらなる快進撃を見せ、
なんと2位に8ゲーム差をつけて
首位街道まっしぐらである。

この状況を見て、
いまの広島カープの強さは、
もしかすると時代の転換期を
象徴しているのではないか、
と思うようになった。

どういうことかと言うと、つまり、
「カネの力が弱まってきた」
ということである。

このことが、
スポーツ界を通して
顕在化しつつあるのではないか。

金満球団・巨人の没落と、
金欠球団・広島の台頭。

この際パ・リーグの
ソフトバンクの強さは置いといて(笑)、
カネが力を失いつつあるのだ。

もちろん今の社会では
相変わらずカネの力は絶大だし、
その状況が急に変わったわけではない。

しかし社会が変化する兆候は、
こういう意外なところから
噴出してくるものなのである。

何か大きな出来事が起った時のことを
後から振り返ってみると、

「そう言えば、あれが、
 あの出来事の兆候だったのでは……」

ということが必ずある。

そして今回はそれを
一足はやく発見してしまった、
というわけである(笑)

しかもこの変化は日本だけではない。

サッカープレミアリーグの
レスター優勝を見よ、である。

ネッシーが実際にいる確率よりも
はるかに低い確率と言われながら、
金満チームを蹴散らして
優勝してしまったのである。

ところで実際のところ、
世界に金はあり余っている。

ウワサによると、
世界の富豪62人の総資産が、
最貧困層36億人の総資産に
匹敵するそうだ。

もっと身近なところで言っても、
2016年3月末時点での
日本企業の内部留保(利益剰余金)は、
なんと366兆円にものぼる。

しかもこれは「金融・保険業」
を除いての数字である。

安倍政権発足時から見てみると、
従業員の給与は3%減少しているが、
企業の内部留保は34%増加している。
(東京新聞)

カネはないところにはぜんぜんないが、
あるところには余りまくっているわけである。

そして希少性は価値である。

というわけで、世界全体で見れば、
カネの価値は絶賛激減中なのである。

人間は産業革命以降、
市場経済を発展させながら、
豊かさを実現させてきたと言われる。

ところが、
世界中で飢えている人の割合は、
縄文時代の頃よりも
高くなっているらしい。

その点も考えれば、
人類は全体として退化していると言って
さしつかえないわけである。

そしてこの人類の退化の、
歴史的転換点の兆候こそが、
今の「広島カープの強さ」なのだ!

わかったか!(北方謙三)


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