山崎亮『ふるさとを元気にする仕事』(ちくまプリマー新書) | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」

山崎亮『ふるさとを元気にする仕事』ちくまプリマー新書、2015年。


若い人たちに向けた本ということで
とっても読みやすく書かれているけれど、
内容はギッシリで読み応えアリ。

コミュニティデザイナーである
山崎さんの半自伝的内容とともに、
「コミュニティデザイン」という仕事が
わかりやすく紹介されている。

もちろん、地域を元気にする
いろんな事例も紹介されているので、
そういうのを求めている読者の期待も裏切らない。

「働き方」を「生き方」とともに論じていて、
そのへんを模索している人にとっては
人生のバイブルになりかねない一冊。

特に、

「就職はしたくないけど、
 他にどんな働き方があるのかわからない……」

という学生にはもってこいだろう。

「何かのテーマについて議論するときも、
 否定や対立から始めて、
 より高い次元に向かおうとする〔中略〕
 コミュニケーションは、日本人には馴染まない」。

という山崎さんの考え方に
僕もおおいに共感するし、
いまの若者たちの議論の仕方もまた、
ある意味で伝統回帰しつつある気がする。

ところで山崎さんの強みのひとつは、
実践の場に身を置きながら、
研究者としての視点も持ち合わせている
ことではないだろうか。

彼の絶妙なバランス感覚は、
学問の道を志す人にとっても
参考になると思う。



山崎亮『ふるさとを元気にする仕事』ちくまプリマー新書、2015年。


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