東京で生活している以上、
常に人混みを避けることは難しい。
この人混みをいかにクリアするかは
東京生活の質に大きく関わる問題である。
だがさすがに10年も東京にいると、
人混みとのつきあい方にも
少しは慣れてくるものである。
そこで今回は、
僕なりの「人混みを通るときのコツ」
をお伝えしたいと思う。
まず注意しなければならないのは、
人混みにもいくつかの
種類があるということである。
厳密に言うときりがないので、
ここでは大きく二つに分けておきたい。
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①対面型人混み
例えば大きな交差点で
信号が青になったときに、
大量の人同士が対面しながら
すれ違うような場面である。
渋谷のスクランブル交差点も
実質的にはこのタイプに入れてよいだろう。
②流動型人混み
例えば新宿駅や東京駅の
通路の人混みのように、
大量の人がさまざまな方向に向かって
歩いているような場面である。
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この二つのタイプはそれぞれ
クリアの仕方が違う。
まず①対面型人混みから。
これをクリアするために
最も重要なのは「目力(めぢから)」である。
対岸から押し寄せてくる大軍を前に
ひるんではいけない。
目線をまっすぐに前に向け、
モーゼが海を真っ二つに割るように、
目力で人の海を真っ二つに割るイメージである。
人は意外に人の目を見ているもので、
こちらの歩く方向を明確に目線で示すと、
その道を空けてくれるものである。
これは人生にも
通じるところがあるように思う。
「オレはこの道を歩いてゆく!」
という意志を明確に示す人に対して、
多くの人は「どうぞどうぞ」と
案外道を空けてくれるものなのである。
しかしこれが通用するのは
あくまで相手の目線を確認できる
「対面型」の場合だけである。
では人が様々な方向を向いている
②流動型人混みの場合はどうするか。
ここでは、
自分の意志を明確に示して
真っ直ぐ進むのは
単なるトラブルのもとである。
このタイプの人混みで重要なのは、
「流れ」に逆らわないことである。
人の流れを「川の流れ」に見立てて、
自分はそこを流れる「葉っぱ」だと
イメージしてみよう。
うまく自分が向かいたい
方向の流れに乗りながら、
時に乗り換え、かわしてゆく。
流れに逆らうのは御法度。
くれぐれも行きたい方向と
逆の流れには乗らないことである。
これもまた人生のコツに
通じるものだと言えよう。
とりあえず、
対面型の場合は人を「点」で捉え、
その間を目力で切り開き、一点突破する。
流動型の場合は人を「線」で捉え、
流れに乗りながら進んでゆく。
このとき「どの流れに乗るか」を
よく見極めることが肝要である。
対面型では「モーゼ」になり、
流動型では「葉っぱ」になる。
ぜひご活用いただければ幸いである。