思いがけず「考えない論」に出会って、
ちょっとうれしい気分になった。
早稲田大学准教授の西條剛央さんは、
学生時代、テニスの試合で勝つために、
セルフコントロールの方法論を
自分なりにまとめたという。
それを所属するサークルの選手に伝えて
練習したところ、それまでとれなかった
主要タイトルをぜんぶ制覇したのだそうだ。
その方法論が、
まさに『考えない論』
西條さんが言うには、
人間は「追いつめられた」場面では
なかなかポジティブに考えられない。
頭のなかで負のストーリーができあがってしまい、
心と連動して身体まで緊張してしまう。
それを克服する方法論について、
西條さんは次のように答えている。
「身もフタもないような答えですが、
『何も考えない』、それしかないと思います。
思考が悪いほうへ向かいそうなとき、
僕は、手の平に『集中』と書くんですが、
場合によっては、より直接的に
『何も考えない』と書いていました」
しかも、それを実践するために、
一瞬「頭を振る」、という
具体的な方法まで提示している。
なるほど。
物理的に脳を揺らすことで、
「考える」作業を邪魔してしまうというのだ。
これには僕も感服した。
「サッカーのPK戦のときとか
いいと思うんですけどね」
と西條さんが言っているように、
これはいろんなスポーツに応用できそうだ。
みなさんもぜひ試してみてはいかがだろうか。
ほぼ日刊イトイ新聞
「西條剛央さんがどうくつで刀を研ぎ澄ましている。
④プラスに考えられないときは?」