「地域ねこ」というのがいるらしい。
首輪をしてないから一瞬野良ねこかと思いきや、
誰かが洗ってあげているらしくとてもキレイだ。
しかもずいぶん人に慣れていて、
さわっても逃げないし、
様子を見つつ窓から部屋に入ってきたりする。
「地域ねこ」は誰が飼っているということでもなく、
地域の人がみんなで世話しているという。
だからみんなそれぞれの名前で呼んでいる。
なんだかうらやましいヤツだ。
だがひと昔前までは、
人間も「地域にんげん」だった気がする。
家で育つというよりも、
地域の人に世話になりながら育っていく。
「地域ねこ」にとっても
きっとそうであるように、
「地域にんげん」にとって
人間とはとてもあたたかい存在だ。
田舎にいけば、
まだまだ「地域にんげん」はたくさんいる。
いま若者を中心に田舎志向が広まっているのは、
「地域にんげん」として生きたいという想いが
その根底にあるのかもしれない。
だが、
まだ都会に住んでいるにもかかわらず、
「地域ねこ」のように
人様の家に勝手に侵入すると
取り押さえられるので注意が必要だ。