ヒゲ面の「田村さん」 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
先日、道を歩いていたら、
前からマスクをした若い女性が歩いてきて、
僕の顔を見るなり、

「あっ……!」

と言ってマスクを外し、近寄ってきた。

僕も一瞬「知り合いか?」と思って、
彼女の顔を見てみたが、
どうにもこうにも見覚えがない。

忘れてしまっていたら失礼やな…と思いつつ、
必死に記憶をスキャンしてみたが、
どうしても思い出せない。

すると女性が僕に向かって、

「田村さん……じゃないですよね」

「あ、違います」

「すいません」

「すいません……」

となり、なぜかこちらまで
ついつい謝ってしまった。

このあたりに、
ヒゲ面の「田村さん」が
存在することだけはわかった。