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とにかく読みやすい。
しかも姜尚中さんのあの声をイメージしながら読むと、
癒し効果も得られて一石二鳥だ。
…という効率主義的な近代的発想を
非常にわかりやすく否定し、
これからの人間の生きる道を示唆する一冊。
漱石、ウェーバー、フランクルなどが
一様に問題にした近代の病。
3.11とそれに伴う原発事故をその象徴としながら、
科学を宗教として生きてきた私達に問題を提起する。
「未来よりも過去を大切にせよ」
というメッセージにはとても共感する。
一方で、その過去を「私(個人)の過去」ととらえるのか、
「客観的な歴史としての過去」ととらえるのか。
ここは私たちがもう一段深めて
考えなけれなならない課題だろう。
漱石の描いた近代的な人物が
自分だけを愛していたように、
私たちも「自分の過去」だけを愛するならば、
それはやはり近代の呪縛から
逃れることはできないのではないだろうか。