時間はどこで生まれるのか | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
時間はどこで生まれるのか (集英社新書)/橋元 淳一郎

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時間と空間が互いに変換しあうことや、
過去へ遡っていく物質(反粒子)が存在することなど、
時間について考えるときに
頭に入れておきたい要素がたくさんみつかった。

仮に、「時間は希望の束である」とでも言っておこうか。

【引用メモ】

相対論が明らかにした「事実」は、
空間と時間は互いに変換可能だというものである。
つまり、空間もまた時間と同様、奇妙なものであって、
それらはまとめて「時空論」として
論じられなければならないはずのものなのである。(10)

マクタガートの結論は、
「時間は実在しない」
ということなのである。(21-22)

他者との共通の「今」は、存在しないのである。(40)

光子にとって、宇宙の大きさは0であり、
流れる時間もまた0である。
つまり、光子にとっては時間も空間も存在しない。
光子にとっては無であるような世界の中に、
われわれは広大な空間と
悠久の時間を見ているのである。(75)

アインシュタイン方程式の解の中には、
ブラックホールの内部で時間と空間が
反転する世界が存在する。(125)

過去へ遡っている物質は
いくらでもあるのであって、
われわれはそれらを反粒子として
現実に観測しているのである。(158)