僕たちは、毎日いくつもの選択を
繰り返しながら生活している。
その選択の中には、
正しかったと思えるもの、
間違っていたような気がするもの、
どっちが良かったのかわからないもの、
いろいろなものがあるだろう。
しかし人生は一度きりであり、
二つのことを同時に選択できない以上、
その選択はつねに
かけがえのないものであり続ける。
そのことはそのまま、人との出会いの
かけがえのなさにつながっている。
あらゆる出会いは、誰かのかけがえのない
選択によってもたらされているからである。
社会学者の見田宗介は、
『社会学入門―人間と社会の未来』
の中で次のように述べている。
「他者は第一に、人間にとって、
生きるということの意味の感覚と、
あらゆる歓びと感動の源泉である。
(中略)他者は第二に、人間にとって
生きるということの不幸と制約の、
ほとんどの形態の源泉である。」
見田の言うとおりであるならば、
僕はあらゆる選択について
「正しさ」を求めることに、
ためらいを感じずにはいられないのである。