原発建設予定地である
上関からのライブ中継は今日も行われている。
今日は英語でのレポートもあって、
情報が世界にも発信されている。
ここで起こっていることについては、
「祝島島民の会blog」をどうぞ。
きのうにひきつづき、
『戦争という仕事』という本から引用。
1000年続いてきた祝島の人々の生活が
原発によって脅かされている姿を見ていると、
戦争はまだ終わっていないように思える。
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ところが、絶対君主制が
成立してから以降の戦争は、そうはいかない。
戦争の目的に、その地域の社会や文化、
歴史、記憶を破壊することが加わった。
その地域の人々の基層文化を破壊することによって、
その地域を支配する方向にむかったのである。
植民地支配は、その典型的なかたちであった。
帝国主義者たちは、植民地の社会システムだけではなく、
ときに言語をもふくめて、その地域の
歴史的な蓄積のすべてを消滅させようと試みた。
日本のおこなった植民地支配をみても、
日本語教育、創氏改名などの
皇民化政策が推進されている。
最も徹底したかたちでこの政策を
推進したのはアメリカであった。
アメリカに渡った植民地主義者たちは、
先住民の営みや文化、歴史、記憶を
破壊しつくすことによって、
「新生アメリカ」を誕生させている。
アメリカ的価値観を受け入れない
すべての人々を消滅させることによって、
「アメリカの誕生をめぐる戦争」に勝利したのである。
異文化の抹殺という戦争の勝利が
アメリカをつくりだしたのであり、
もしもこのことへの批判を受け入れたならば、
アメリカは建国のアイデンティティーを失う。
ヨーロッパに絶対君主制が成立してから以降の戦争には、
このような性格が加わっている。
その地域の人々の基層文化を破壊すること、
そのことによって自分たちの価値基準にもとづいて
社会をつくり変え、新しい支配のかたちをつくりだす。
そしてこの目的をとげるために、「戦争という仕事」に
多くの非軍人が参加するようになる。
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