【講演】上海万博「紫」の奇跡 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
きのう、柿澤一氏さんの講演会に行ってきた。

柿澤さんは史上最年少で
駐米大使館料理長をつとめた後、
さまざまな形で料理の世界を開拓。

今年は上海万博で高級日本料亭「紫」の
総責任者として指揮をとり、
3000人以上の世界のVIPを迎えた。

「紫」はミシュラン三ツ星、二つ星、一つ星の
三軒の料亭のコラボレーション。

しかし女将さんや仲居さんなどの
スタッフは現地の人たちを主に採用し、
そのうえで最高のおもてなしを実現する
という離れ業をやってのけた。

そんな柿澤さんの講演会、
僕がメモした言葉をシェアさせてくださいませ。

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(現地で食材を調達するルートを探していて)
ダメだと思って探してるときは見つからない。

中国人400人を面接した。みんな良かった。
できることなら全員採用したかった。

途中から履歴書を見るのをやめ、感覚を信じた。
「あなたの夢は何ですか?」という質問に、
1/3くらいは答えられなかった。

かつて人の3倍働いた。それは時間ではなく、
仕事の密度と「3倍だと思い込んでやる」こと。

スタッフに対して、「失敗するのは罪だ」
というマインドブロックを外してもらった。
1つの失敗に対して、本人、女将さん、料理長と
3度謝れば、逆に「なんて素晴らしいサービスだ」
と思ってもらえるんだと話した。

「もし僕が失敗に対して怒ったら、
 僕をクビにしていい。」
とスタッフみんなに伝えた。

心が整うと、すぐ吸収できる。
現地の中国人スタッフたちは、
日本人が5日かかることを3日で覚えた。

スタッフたちの夢を叶えて、
最後は夢の風船をはなして、
自分はあわになって消えられたらいい、
というイメージを持って仕事をした。

「終わるのがさびしい」と思っていると
お客様へのサービスもにも影響してしまう。
終わる日がわかってるんだから、
それまでの1日1日を楽しんでいこう。

自分が感動プロデューサーになると、
みんなも感動プロデューサーになる。

心さえ鍛えられれば、国境も超えられる。
本気は伝わる。人間は想像した通りになる。

あれはできない、これはできない…
というマインドブロックをとっぱらっちゃえ。

自分がどうこうじゃなく、
自分は神様がみんなに幸を与えるための
道具になったと思うと世界が変わる。

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とにかく毎日が「まさか」の連続で、
何度も自分のマインドブロックを
外してきたという柿澤さん。

心さえ通えば、日本人と中国人の違いなんて
全く関係ないんだということを思い知らされた。

柿澤さんが若い人によく言うのは、
「恵まれていることに気づきなさい」
という言葉だという。
それに気づけば、人生が変わる。

あらゆる困難を、神様から与えられた
チャンスとして乗り越えてきた柿澤さんから、
多くのことを学ばせてもらえた。