立教大学で行われた講演会に参加してきたので、
その内容のレポートをアップします。
21世紀社会デザイン研究科主催公開講演会
「絆を結び直す~生活困難者支援へのNPOの挑戦」
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公的施策のみによる
生活困難者支援の限界が見えてきている今、
これまでの制度の枠を超えた
支援の必要性が高まっています。
そんな中で「ホームレス」「自殺」「地域支援」
をテーマに活動されている三団体の
リーダーの方々に、生活困難者支援の
課題と展望について語っていただきました。
まずコーディネーターである高橋紘士氏から
「自助と互助の関わりを失った人々がいかにして
〝絆〟を結びなおすことが可能なのか」
という問題提起がなされました。
奥田知志氏は、路上生活者には
「ハウスレス(物理的困窮)」と
「ホームレス(関係性の困窮)」
という2つの困窮があることを指摘。
持続性のある伴走的コーディネートによる
トータルな支援の必要性について語られました。
清水康之氏は、自殺者は「死にたい」というより、
「もう生きられない」と思って亡くなっていくとした上で、
「自殺の実態を正しく捉えなければ、
効果的な対策の実現は不可能」
ということを、具体的なデータや事例から強調されました。
中野しずよ氏は、
「困っている人たちと、どう一緒に生きていくか」
という、これからの地域活動における考え方を紹介。
支えとは絆のことであり、
その支えを強くすることの大切さについて話されました。
最後のディスカッションでは、
「自己責任論によって無責任でいる社会ではなく、
社会の責任を果たせる社会が必要」(奥田氏)、
「100年に一度の危機は、チャンスでもある。
この闇をしっかり見つめよう」(清水氏)、
「支援を受ける人が、
ありがとうと言われる環境を作りたい」(中野氏)
など、多くの示唆に富んだ発言が聞かれました。
最後に高橋氏は「伴走的支援」が
共通のキーワードであると指摘。
「支援が必要な人たちも資源であり、
そういう人達を支援する社会が、活性化される。
重い課題がかえって私たちを力づけていく」
と語り、今後の社会のあり方を問う、
濃い内容となった講演会は、幕を閉じました。
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