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社会起業家。
一般への認知はまだまだだが、
ある意味これほどクリエイティブな仕事は
なかなかないだろう。
経済的なリターンだけでなく
社会的なリターンを同時に追求する
「ソーシャル・ベンチャー」という新しいビジネス。
物質的な豊かさによる幸福の追求が限界を迎え、
精神的な豊かさによる幸福が見直されているいま。
社会を変えることをミッションとする
この仕事が注目されるのは必然である。
これまで、いわゆるNPOやNGOは、
活動資金を国の助成金や企業などの
寄付に頼るところが大きかった。
しかしそれでは、組織の自由な活動が制限され、
自立的な運営が困難になる。
また国や地域によって条件が異なるため、
同じような活動を世界的に広げていくのが難しい。
だからこそ、金銭がモチベーションとなるという
万国共通の普遍的な発想を持った
ビジネスモデルが不可欠となる。
「善意に頼った場合は、仕組みとして模倣しにくく
スケールの大きな改革にならない」
(アショカ財団/ビル・ドレイン)
「市の予算カットで公金に頼る
恐ろしさを痛感したんです。
お上の機嫌をとりながら恵んでもらうという
従来のNPO的経営では社会問題は解決できない」
(ハウジング・ワークス/チャールズ・キング)
また、「人の役に立ちたい」という想いが、
新しい職業を生むこともある。
プロの役者が道化(ピエロ)として小児病院を訪れ、
入院中の子供の恐れや不安を軽減する
「ホスピタル・クラウン」という仕事には、
とくに感銘を受けた。
「ホスピタル・クラウン」と接した子供たちは、
手術後の回復が早まることも実証されているという。
人が人のためにできることは、
まだまだたくさんある。
そしてそれは案外、
誰にでもできることだったりする。
自分の生き方を見直すきっかけになるだけでなく、
未来に希望を抱かせてくれる一冊である。
満足度
★★★★★
マナブは音楽活動もしています。
http://wacca.fm/a_music/manabu/list